踊って恋して~私を変えた運命の出会い~

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元になったエピソード

少し前の話。
私はその当時、同い年の彼氏と同棲していました。
彼はかっこいいのですごくモテます。
でも、彼は自分がかっこいいのをわかっていて、私が離れていかないのもわかっていました。
浮気を繰り返し、私が作ったご飯を食べなかったり、暴力も日常茶飯事。
仕事もやめてしまい、毎日貯金と私のお金で暮らしていました。
彼はモラハラ気質もあり、「お前みたいなブサイクは俺以外の男には相手にもされない」と言われ続けて、すっかり自信を無くしてしまった私。
付き合いはじめの優しかった頃のことも忘れられず、毎日泣きながら、でもまた優しくてちゃんと働く彼に戻ると信じて支え続けていました。

そんなある日。
職場の同僚に誘われて、とあるジムのスタジオプログラムに入ってみることにしました。
ダンスフィットネスで、明るいラテンの曲に合わせて楽しく踊って痩せよう!というものです。
踊るなんてできないし、はずかしい…と思いつつも、入ってみたら…

すごく楽しい!!!

気分がスッキリして、その時間ずっと笑顔でいた私を見て同僚が、「やっと笑ったね」というのです。そんなに笑っていなかったのか…と驚くと同時に、このダンスフィットネスにすっかりハマってしまいました。

さて、このダンスフィットネス、インストラクターが男性でした。
初めて会ったときの印象は…おじさん。
筋肉質だけど細くはないし、私が思っていたダンスの先生とはイメージが違っていました。
が、クラスがはじまるとぱっ!と華やかに、一瞬にしてみんなを笑顔にするすごいインストラクター!!
わたしもすっかり魅了されていました。

ある日、彼の暴力でわたしの右腕にあざができてしまいました。
フィットネスでは、腕の出るウェアを着ていたので、あざが見えてしまいます。
どうしたの?と聞かれたら、転んだのーとありきたりな返事をしていました。

その頃、そのフィットネスのクラスで流れる音楽に、すごく好きな曲がありました!
スペイン語で歌っているので、なんて言っているのかはわからないのですが、いつもサビのところで心が震えて涙が出るほどのいい曲!
なんて歌っているんだろうなぁ。
いつもこの曲で元気をもらっていました。
インストラクターさんも、私がこの曲を好きなのを知って、私がくるとこの曲をプログラムに入れてくれました。

そうしてフィットネスに通ううちに、自分に自信がついてきて、彼の支配をおかしいと思えるようになりました。
別れよう。この人といても私は幸せになれない。
荷物をまとめて、彼と暮らした家を出ました。
あんなに横暴だった彼は泣きながら私を引き留めましたが、心も体も強くなった私は振り向くことはしませんでした。

あれから数年。
私は転職して、あのダンスフィットネスのインストラクターになりました。
スペイン語も勉強をはじめて、いつかこのダンスフィットネス発祥の地コロンビアに行くという目標のもと頑張っています。
あのとき元気をもらった曲を改めて聞いてみました。
まだ、スペイン語が完璧にわかるわけではありませんが、あの曲は

「そんな彼は捨てちゃって、こっちへきて僕と踊ろう?僕ならそんな悲しい顔はさせないよ」

という歌詞でした。

そんな私の隣には、あのときのインストラクターさんがいつもいます。
あのあと、お付き合いするようになりました。
あの頃、この歌詞を知っていてこの曲を使ったの?と聞くと さぁ? ととぼけていますが、辛い毎日から救い出してくれたのは、今は私の彼になったこのインストラクターさんだと思っています。

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written by しろっぷ

マンガ作者

天音アモイ

女性 投稿マンガ数 7

京都市在住のイラストレーター、漫画家。6歳差の二人の娘たちとギニア出身の旦那との日常や多文化ネタ、実話あるあるなどをコミックエッセイに描いています。キュンとする恋愛エピソード、体験談など新しいジャンルにも挑戦していきたいと思っています。よろしくお願いします!

エピソード投稿者

しろっぷ

女性 投稿エピ 8

実は結構な高齢(笑) むかーしの記憶を辿り綴っています。