高校最後の文化祭。
私は文化祭の準備期間で1人のクラスの男子と仲良くなりました。彼は明るいけれど女子とはあまり話さず、男子とばかりいるような人です。
そんな彼と私は準備期間で意気投合し、ほとんど一緒に作業をして過ごすようになりました。彼と話す時は変に気を使うこともなく、私が1番私らしくいられる時間でした。
そんな文化祭本番も近づいてきたある日。
私と彼と、もう1人仲のいい男子の3人で文化祭の小物を作っていた時です。
「ちょっと俺会計の会議行ってくるわ」
そう言って彼は会議に行きました。私と男友達は他愛もない会話をしながら作業をしていると、
「お前がんばれよ〜〜」
っといきなりその男友達が言ってきたのです。
「え??」
私は男友達が何のことを言っているのかすぐにわかりました。友達のがんばれよは、“お前はあいつが好きなんだろ?”という意味であると。
正直、この時私は失恋したばかりだったので、もう恋はいいと、したくないと思っていました。彼と仲良くなったけど、これは恋じゃなくて、友愛だと自分に言い聞かせていました。
そうやって自分の気持ちを抑えて、誰にも相談なんてしていなかったのに。
「……やっぱり自分ってわかりやすい?」
私がそう言うと、男友達は目を見開いて私に言いました。
「え、ガチなん!!?」
はい、そうです。みなさん、お分かりになりましたか??男友達は私が彼を好きだと確信を持っていたのではなく、ほぼ揶揄うノリで言っていたのです!!!なのに私はいかにも好きですみたいな返事をしてしまい、自分で墓穴を掘ってしまったのです!!!!
「最悪や!!!!!!!」
私は大きな声で叫びながら言いました。
「誰にも相談してなかったのに!!これはどーなんかなって迷ってたのに!!もうしたくないなって思ってたのに!!こんなん認めなあかんやーん!!」
それを聞いた男友達は大笑い。私は墓穴を掘ったことと、これが恋であることを認めなければいけないこと、その2つを受け入れながら顔を真っ赤にさせました。
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は
ものや思うと 人の問ふまで
いくら気持ちを隠そうとしても、自分の気持ちを認めたくなくても、他人に「恋してるの?」と聞かれたら、もうそれは恋なんだって認めざるを得ないですよね。
はぁーーーーーーー、恋って難しい!!!
written by あめ
Sponsored Link