悪魔って言ってごめんね。

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元になったエピソード

中学3年生の時の話です。
席替えでまさか田村の隣を引き当ててしまった私。
ど、どうしよ!それが私の感想でした。

田村は目つきが怖いし、口癖が悪いし、彼に告白した女の子達はズタズタに泣いて帰ってくるし……。(田村くんは少しイケメンだったんで、モテていたんです。)とりあえず本当にいい印象が無かったんです。友達には「アイツ、○○ちゃんのこと泣かせたんだって〜!」みたいな感じで友達とは裏で悪魔の田村と呼んでいました。

そして彼は「1番前の席かよ、マジで最悪なんだけど。人生最悪の気分。」と田村の友達に言っていました。私はきっと私のことも嫌なんだろうな、ずっと睨んでくるし。と思っていました。これからの2ヶ月が一気に不安になりました。

次の日の物理の授業。私は凄く物理が苦手でした。先生が「この問題できる人、そうだなー。今日は7日だから出席番号7番!!」と言ってきたんです。私でした。
問題の意味も分からず困っていたので、焦ってしまっていました。
先生は「なんだー?こんな問題もできないのか?」と言ってきました。泣きそうになったその時。
X=4・8と書いてあった紙の切れ端が飛んできました。しかもとても字が綺麗。
田村くんでした。そう答えたら先生は「まぁ、分かって当然だな。」と授業を続けました。

「田村、助けてくれたの……?」と聞いたら照れくさそうに「まぁな。俺が頭良くて良かったな。」と笑って言っていました。その時から田村を悪魔と思ったりするのをやめました。ごめんね。と心で呟きました。


また、ある日友達に言われました。「田村ってさー、ほんと怖い。目つきやばいもん。」と。
その時私は「田村くんは悪魔じゃない!全然怖い人じゃない!むしろいい人!」と言いました。友達はみんなびっくりしていたけれど。「そうなんだ……。そこまで言うならそうなんだろうね。もう悪魔って言うのやめよ。」と言ってくれました。

その話、たまたま田村くん聞いていたようで「ありがとな、俺よく昔から怖いって言われるんだ。そこ直さなきゃな。」と言われました。




今でも彼は私の大切な友達のひとりです。

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written by チャイナ娘