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いつかリードしてよね

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元になったエピソード

高校3年生にして初めての彼氏が出来た。
吹奏楽の後輩で同じサックスパート。
恋愛なんてしたことない、ちょっと控えめな眼鏡の男の子。
どちらかと言うと弟みたいだったのに。

付き合って3ヶ月ちょっと。
周りには秘密にしてて。誕プレを渡す口実に受験生で自習室にいる私のところに迎えに来てくれた。

それでこっそり抜け出して、私はバス通、あっちはチャリ通。でもバス停までの方向は一緒。

勇気を出して言った。
「今日チャリ??」
「うん!」
「じゃあ、一緒に帰ろっ!!!」
「うん、いいよ!」

それで、荷物を用意して一緒に帰った。
他の人に見られる可能性があるからほかの部活動生がいなくなる時間まで、ずっと2人でこっそり隠れて誕プレを渡したり、くだらない話してた。

すっごい無駄な時間なのに、すっごい心がほわほわした。

2人でそろそろ帰ろうと言い合い、帰ってる時、
ウブで恥ずかしがり屋の君のために勇気を出して言った。
右手に誕プレ左手にサブバを持ってて、両手がふさがってる君にまず、

「これ、こっちの手で持って」

そう言ったら、片方の手でわざわざ肩にかけてたサブバまで、手で持ち始めて笑

「ちがうちがう!!笑
これをこうして…」
「え、!?うん」

「はい、手出して?」
「!?」

君がやっと察した。めっちゃ驚いてて。

「え、でも」

と言って、幸せそうな顔して、後ろに人がいないことを確認して笑
私もほわほわしながら、それとなくつられて後ろを見た。

居たのだ。

何食わぬ顔して歩いてる女の子が。


初めての彼氏で、控えめな彼をリードしなきゃと思っていた私もさすがにびっくりして。

「いやむり!!!!!!!!いる!!!」

全力で繋ぎかけた手を無視して早歩きで方向転換。

いや、タイミング悪って言い合いながら、まだ別れたくなくて2人で同じ道2周して帰った。

無駄に緊張したから、今度は君から繋がせようかな笑

結局繋げなかったけど、ちょっと甘酸っぱい日でした。

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written by こんぺいん