これは私のお母さんとお父さんの甘く切ないエピソードです
私のお母さんは昭和の時代には需要が高かった畳屋の娘として産まれ、所謂お嬢様でした。
特に行きたい高校もなかったのですが、○○高校という名前を見て
「何故だか分からないけどここにしよう」
と、その高校に決めたそうです
そして無事に合格
祖母(母の母)は私立の高校へ行って欲しかったそうで、ショックを受けてましたが、母はそのまま○○高校へ入学しました
入学して数ヶ月
同じ電車で毎日見掛ける同じ高校の男の子がいました
それが私の父です
父は素行が悪く、派手で有名だったので母は父の事を知っていました
でも不良と関わりたくない母は電車で見掛けても父には話しかけはしませんでした
そんなある日、母は友人から恋の相談を受けます
「お願い!ゆうし君と御近付きになりたいの!きょうこ話しかけてきて!」
最初嫌がった母でしたが友達がどうしてもとお願いされたので人のいい母は断れず了承
電車で父に勇気を振り絞って話しかけました
話しかけられた父は一言
「話し掛けんなブス」←笑
母は衝撃を受けました
ショックと怒りで
なんなのこいつ?!こんな奴のことなんであの子は好きになるの?!
でも負けず嫌いの母
その一言にめげるどころか逆に積極的に父に話し掛けるようになりました
最初鬱陶しがってた父ですが冷たくあしらってもめげずに話しかけてくる母に興味が湧いたそうで2人は段々と打ち解け合い友達になりました
そんな母は父の事が好きになっていき、父も母の事が好きになっていきました
でも友達が父の事が好き。
この恋は諦めなければならないと母は父に近付くのはやめました
そんなある日
友達が父に告白
父は断りました
好きな人がいると
友達は父が誰が好きなのか分かっており、分かっていながら告白しました
そして玉砕
母に父に振られた事をいい、次はきょうこの番だよと言いました
母は父には告白しました
答えはOK
めでたく2人は付き合うようになりました
父がなぜ母に最初冷たくあしらったかというと
父は小学生時代太っており、女子に馬鹿にされてました
それが中学時代で痩せたら手のひらを返したかのように父に擦り寄ってきて心底気持ち悪いと思ったそうです
母もそんな女の1人だと思った父は話し掛けてきた母を鬱陶しがりあのような暴言を吐いたそうです笑
さて、めでたく付き合った2人ですが困難が沢山襲います
まず、母はお嬢様ですが父は貧乏です
祖母は昔の人なので貧乏人としかも不良と付き合うなんてと反対します
他にも父のとりまきの女たちが母をイジメてきましたが父の友人の不良仲間達が母を守ってくれ、父も母が虐められないように毎日べったりだったそうです笑
父は高校を中退し、通信に通います
母は高校をきちんと卒業し、2人は付き合いながら社会人になりました
父は早くに子供が欲しく、母はまだ遊びたいしなぁと思ってましたが22歳の時に長男を妊娠します
籍を入れずに子供を作ったのは理由があり、祖母を納得させたい為だったそうです
でも祖母は反対
今ならまだ間に合うと中絶を勧めましたが今は亡き祖父が言いました
「ゆうしくんはとってもいい子だ。必ずきょうこを幸せにしてくれる。俺が保証する。きょうこをお願いします」
今は亡き祖父の事を父は大好きで尊敬していました
そんな祖父に認められ祖母も祖父の言葉には逆らうことが出来ないので父も母もなんとか認めてもらい無事に結婚しました
そして式を挙げて長男を出産。反対していた祖母も孫の顔を見たらニコニコで孫バカになったそうです笑
その数ヶ月後、大病を患っていた祖父は幸せそうな娘の顔、元気な孫の顔を見て安心したのか眠るように亡くなりました
その後母は7人の子供たちを産み育て
父と4人の孫と今も幸せに暮らしてます
written by ほしあかり
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