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全部なくなっちゃったけど、これは君のものだから

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元になったエピソード

中学生2年のとき。男女ともに人気な男の子がいました。

その男の子と私は運動が好きだったり、
たまたま同じ塾だったので部活の後も勉強する姿をみて、なんとなく自分と頑張るところが似てるなぁって思ってから、彼を友達でもあり、尊敬するようになりました。


そして中2のバレンタイン。
当時は、バレンタインで女の子が好きな人にチョコを渡し、ホワイトデーで男の子がクッキーをお返ししたら両思い、飴ならありがとう!という時代でした。

周りの友達とキャーキャー言いながら、私は尊敬できるその男友達にあげる事に。

その翌日から、クラスで彼の私への態度がなんとなく違う、、、、。
いつものふざけたノリはどこいった?

その違和感が私の気持ちを変え、ものの数日で急激に恥ずかしい感情がいっきにわいてしまい、彼が尊敬する男友達から異性に変わっていきました。

きっと彼は、ホワイトデーに何かしらのアクションを起こすだろうと思っていたのですが、それまでの毎日、バレンタインの話に触れず、異性としての感情を隠して普段通りの感覚で毎日を過ごす。。。息を吸うのが大変な1ヶ月でした。


そしてホワイトデー当日。

待ち合わせの公園には先に彼が待っていました。
そして、お返しはクッキー。実はずっと好きだったんだ。付き合おっか?と。


それから中3になりクラスは離れたけど、部活や塾ではいつも彼の姿を見ていました。

仲のいい友達しか付き合っているのを言ってなかったのもあってか、彼はまだまだ女の子から大人気!!
後輩達からはファンクラブがあるんだよ〜〜との噂も聞いていました。


だんだん月日がすぎ、高校受験の時期に。
同じ塾に通っていたのもあり、恋愛より勉強を優先したい気持ちも同じで、しばらく自然と受験に専念。本当にバランスの取れた仲でした。


そしていよいよ卒業式。
私の中学では、卒業式の日に好きな人から第2ボタンを貰う!というのがあって、私も当然その気満々でいました。


校門の近くでは、案の定女の子達がキャーキャー騒いでいて、私もそろそろ彼の所に行こう〜と彼を見つけると。。。

学ランについていた、ありとあらゆるボタンが全てないんです!
驚いたのは両袖についてたボタンまでもない。もちろん学ランの正面ボタンもないから前がパカパカ。。。それを見た時の数秒間、私は彼の人気の凄さで驚き、言葉を失ってしまいました。

そして、呆然と立ち尽くす私を彼が見つけ、歩きながらパカパカ開く学ランの首の方に手をのばし、何か取っていました。
それはたまたま隠れていた第2ボタン。

「他のは全部なくなっちゃったけど、これは絶対〇〇にあげるやつだから」


彼の周りへの優しさも好きだけど、もっと彼のことが好きになった瞬間でした。

そしてお互い、たまたま同じ志望校に合格。私の青春は、彼のおかげで今も良い思い出です。

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written by 恋エピ公式

マンガ作者

ちっぺろ

女性 投稿マンガ数 11

漫画を描くのが好きです。

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