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恋のレースは終わらない!地味系彼の素顔とは?

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元になったエピソード

高校2年生の体育祭のことです。
私たちの高校はいわゆる進学校だったので
みんな恋愛に興味がないわけではないけれど、真面目で奥手な子が多かったです。
運動が得意でない私は、もともと体育祭が苦手だったのですが、
単純に運動とは別に、困ってしまう競技がありました。

カップル競技です。
歴史ある進学校で、「いつの時代に誰がつくったんだ?」と思います。
男女でペアを作り、まずは指令カードのところまで走って行きます。
そのカードに書いてあったことをペアで行いながらゴールを目指します。

この競技はペアになる男子と気まずいと言うか、気恥ずかしい雰囲気が漂うところが特に辛いです。
本人同士が気恥ずかしいだけでなく、そのお互いに恥じる様子を全校生徒が冷やかすように応援してきます。

カップル競技の相手は競技の始まるときに適当に並ぶ順番で決まります。
私の相手は、同じクラスの何度か喋ったことのある男子Nくんでした。

スタート前に並んでいるときに、Nくんが「がんばりましょう!やるしかないからね。」と言ってきました。
私も「そうだよね。やるしかないよね。がんばりましょう。」と返しました。
気恥ずかしいからか、お互いになぜか敬語です。

私たちの指令カードは二人三脚でした。
自分からNくんの足に寄せるのは気が引けていると、サッとNくんの方から足を寄せてきて二人の足首を縛ってくれました。
モジモジしている場合ではないところで、潔く行動できたNくんをかっこいいと思いました。
さらに向こうから肩を抱き寄せてくれて、自分より大きい肩や腕や手にドキッとしました。

Nくんは終始私のペースに合わせて走り、運動が苦手な私をうまくリードしてくれました。
結果スムーズにゴールすることができ、
Nくんは「うまくいったね。」と笑いかけてくれました。

この経験を期に私たちの距離は徐々に縮まり、
体育祭から1ヶ月も過ぎた頃、Nくんから「俺たちつきあいますか?」と言われました。
私は「はい、つきあいます」と答えました。
ここでも何故か敬語でした。

カップル競技はすごく恥ずかしかったけど、奥手な高校生にはありがたい競技でした。

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written by 恋エピ公式