過去のトラウマで自信のなかった私に

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元になったエピソード

大学に入って1年ほど経った頃、久しぶりに彼氏ができました。
はじめての恋ではなかったけれど、久しぶりに好きな人と結ばれて幸せでした。

ただ、その頃の私は本当に自分に自信がありませんでした。
高校の時にできた、大好きだった彼氏にちょっと悲しいフラれ方をしたからです。
私は男友達も多く、一見サバサバして見えるようなのですが
好きな人には思うことを思ったように言えず、「嫌われたら怖い」という気持ちが先走ってしまって、彼を悩ませていたようです。
「こんなに重いと思わなかった」
「めんどくさいと思うようになってしまった」
「進路のこともあるのに、リズのことばかり構ってられない」
など、たくさん言われました。
元彼も彼でとても悩んでいたようなのであまり責められないのですが、正直とても傷ついて、恋愛するのが怖くなっていました。

そんな頃出会ったのが、同じサークルに所属していた彼でした。
すらっとした長身で長いまつげに、鼻筋もしゅっとしていてかっこよく、それでいて何より優しい人でした。
以前のこともあったのでとても悩んだのですが、彼を好きな気持ちが大きく、彼の告白を受け入れることにしました。
実に2年半ぶりのお付き合いでした。

でも、付き合い始めてから「女の子」としてすぐに自信が戻るわけではありませんでした。
彼が「ずっとこうしていたいね」と言ってくれても
「いつまで続くかなぁ」とか
「でも最後は私がフラれちゃうと思うよ」とか
「今はこうしてくれてるけど、きっといつか私のことなんて嫌になっちゃうかもよ」
なんて答えしかできませんでした。
それでも彼は「絶対別れるなんてことにはなんないよ!」と楽観的に笑顔で言ってくれるのでした。

翌年の春、私たちのサークルにも新入生が入ってきました。
正直彼はサークルの中でも女の子から人気のあるタイプだったので、やっぱり新入生からもモテていました。
中でもある女の子が彼に対して猛アプローチをかけていました。
目がぱっちりしていて可愛らしく、甘え上手で、その子自身もいろんな男の子の注目の的でした。
そんな子が、彼に対して事あるごとに服の裾を引っ張ったり、手を触ったり、
何度も食事に誘ったりしていていました。
サークル内でもその子の行動は噂になっていて、アレはやばいよなんて声が少しずつ上がり始めていました。
私は、自分が彼女であるにも関わらず「敵わない」と思ってしまいました。
嫌われるのが怖くて、前みたいに「重い」と思われたくなくて「他の女の子と仲良くされるのが不安」と、伝えることもできずにいたのです。

そんなある日、彼から大事な話がある、と言われました。
ああ、私またフラれるんだ、と涙をグッと堪えました。
でも彼から出た言葉は意外なものでした。
「ここ最近、わかってると思うけどあの子からのアプローチがすごいんだ。食事の誘いも全部断ってるし、極力接触しないようにしてるけど、同じサークルの後輩だから限界もあって、、、リズのことを傷つけていたらごめんね」
てっきりフラれると思っていた私は呆気に取られました。

驚いた顔のままフリーズしている私に、彼は真面目な顔で続けました。
「俺はね、リズのことが好きだから一緒にいるんだよ。顔とか愛想の良さとかそんなことは関係ない。リズの笑顔が大好きだし、無邪気なところとか、気遣いができてしっかりしてるところとか、本当に愛おしいと思ってるんだよ。だから、パッと目を引く見た目とか、甘えた態度とか、そういうもので人を判断してるわけじゃないんだ。だから俺がすぐに浮ついたりするとは思わないで欲しい」

ずっと「私なんか」が口癖だった自分にとって、衝撃的な言葉でした。
どんなに自信がなくても、リズのことが大好きだから、と彼は私を抱きしめてくれました。
私はすごく泣いてしまったけど、悲しい涙じゃありません。
これからは、自分を卑下することはやめて、自信を持って、彼の隣に相応しい女性でいたいと思えるようになりました。

例の女の子は、それから程なくして彼のことは諦めたようで、パッタリ連絡などもなくなりました。

そんな大学生活から卒業してもう3年目になりますが、今でも彼とは仲良く、そして前よりも自信を持った自分で、幸せな日々を送っています。

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written by リズ