新品の手帳をくれた無口で有名な先輩

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元になったエピソード

会社を退社し、当時付き合っていた2歳年下の彼氏と同棲する為に1時間半ほど離れた彼氏の住んでいる土地へ引っ越しました。
ですが、その彼氏には泣かされる事が多く同棲3ヶ月ほどですぐにうまく行かなくなってしまいました。
就職していなかった私は急いで就職活動を始め、ありがたいことに転職活動を初めてすぐに、塗装会社で採用してもらうことができ、すぐに働き始めることができました。


その会社での入社初日
すぐに仲良くなった女性社員さんから簡単な作業を教えてもらっていたとき、突然後ろから

「…あの、すみません。これ、仕事の内容…書いてあるので、よかったら…使って下さい」

帽子をものすごく深く被って真下を向いた男性が小さな声でそう言って、新品の黒い手帳を震える手で差し出してくれました。
私がお礼を言い切る前にその男性は足早にいなくなってしまいました。
それが先輩との初対面でした。


その後またすぐに、さっきの先輩が近寄ってきて

「…あの、さっきの手帳、、持ってますか?」

『あ、はい。持ってますよ』

私が手帳を差し出すと、先輩は手帳の1番最初のページを開き、私の方へ向けて

「これ、僕の電話番号です。ここに書いてあるのでなにか困ったらいつでも電話して来てください」

今度はすごい早口でそう言って、手帳を手渡し、また足早にいなくなってしまいました。

『顔も声もカッコイイのに変わった先輩だなぁ。』

と、先輩に対して一目惚れのような気持ちを持ちました。


入社して4日ほど経った頃、
私の担当場所が決定し、あの手帳の先輩と二人きりの担当場所の配属になりました。
心の中で全力でガッツポーズしました笑

社内では
【無口で何考えてるかわからない】
とみんなが口を揃えて言うくらい静かな人でした。
そんな先輩のはずなのに担当場所が決まってからすぐに

「LINE交換しませんか…?」

「週末、もし、時間あったら一緒にでかけませんか…?」

と、すぐにデートのお誘いを受けました。
最初こそ、遊ばれるだけだと思い、曖昧に交わしていましたが、必死に誘い続けてくれる先輩に根負けして休日に二人で猫カフェへ行きました。


そのデート当日、仕事中の無口な先輩とは違った素の笑顔や、底なしに優しい態度のギャップに気が付けば私はこの人とずっと一緒にいたいと思っていました。

デートの翌週から、仕事が終わったら、それぞれの車で一緒にコンビニへ行き、お弁当を同じ車の中で食べて日付が変わるくらいまでずっと他愛もない会話をする。
お互いに好きだと気付いているけれど決定打がない。そんな日々が一週間ほど続きました。

ある日
いつも通り車でお弁当を食べ終えてお話していたら不意に

「…寒くない?そっち寒いんじゃない?」

そう言って私の腕を引き寄せて突然抱きしめられました。
そのまま先輩は黙ったままなにも言わないので、もどかしくなり私から

『先輩、私のこと好きですか?』

って思い切って聞いてみたら、先輩はとても優しい声で

「…好きやよ。気付かん?笑」

そう言ってより一層強く抱きしめてくれました。



その後彼から、会社見学に私が来たときに一目惚れして、入社すると決まったときはすごく嬉しかったんだと教えてくれました。
元カレから泣かされてばっかりだった私は今先輩と一緒に毎日笑顔で過ごすことができています。
ある意味、お互いに一目惚れしてしまうような先輩と出会うキッカケをくれた元カレには感謝です(笑)

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written by あちゃ

マンガ作者

あやひ

秘密 投稿マンガ数 6

黒色、和風、男女の恋愛が好きです! よろしくお願いいたします!

エピソード投稿者

あちゃ

女性 投稿エピ 2

22歳。1つ年上の先輩と社内恋愛中