机上の青

コンテンツ名とURLをコピーする

元になったエピソード

高3の春。
部活も引退し、一気に受験モードに切り替わった最後の学年は勉強勉強勉強。
通学時間、休み時間は単語帳。
放課後は予備校へ直行。
クラスの雰囲気もピリピリしていて、息が詰まりそうになっていた唯一の楽しみは、週に2回の移動教室でした。
理系クラスだった私の選択科目は生物。
物理選択の人はそのまま教室に残り、生物選択は予備教室に移動しなければなりませんでした。

面倒くさいなぁと友達と愚痴をこぼしながら、予備教室へ。

決められた席につき机に目をやると、机にウサギのイラストと共に「疲れた」の文字が。
可愛くて思わず顔がほころんでしまいました。
消されちゃうだろうなぁとは思いつつ、私もウサギの絵と共に「頑張ろっ」の文字を。

それから数日経ち、再び生物移動教室の時間に。
私はすっかり落書きのことなど忘れていたのですが、机には「だな!でも数学嫌すぎて…」と一言。
もう机、チャットボード化してるじゃんと思いつつ私も「この教室で数学やってるの?」と。

そんなこんなで他愛のない話しを1週間に2度机上でするようになったのです。

「そう。田中っちの数学。そっちは?」
「私も田中先生!生物だよ。」
「おっまじ?生物ってことは理系かぁ」
「イエス!そっちは文系?」
「そうそう。ってか腹減ったなぁ」
「私は五限でお腹いっぱい眠いー」
「ずりぃ。そっち何曜日?」
「この教室来るのは火、木。そっちは?」
「月、水!」

などなど。。。
他にも好きな映画や歌手、漫画なども。
よく消されず続いてたと思います。

ある日また、楽しみにどんなこと書いてあるかなぁと思いながらいつものように教室に。

もうそこには文字一つありませんでした…
とうとう終わっちゃったか…と。


前日にやった大掃除で、消されてしまったのだと思います。
今思うと、この教室の掃除係に見られてしまった恥ずかしさと申し訳なさが…
ごめんなさい。

そこから、向こうも私も机に何も書くことなく、幾日が過ぎた月曜日。
休み時間に用があり、ちょうど予備教室の前を通ることがあったんです。
いるはずないと思いながらも、その教室に目をやると、まだ他クラスが授業をしていて、ふと誰かと目が合いました。
思わず目を晒してしまい、もしかしてと思いもう一回目を戻すと、もうこっちを見ている子はいなくて…

幻想かぁ。自分気持ち悪いなと思いながら、歩き始めた瞬間。

肩を掴まれて

「机の子!?だよね!?今授業終わって急いで出てきたんだけど……

ーーーー終わりーーーー

あとはご想像にお任せします?

後から聞くところによると、時々私がこの予備教室で授業をしている時、前を通っていたのだそう。
だから、なんとなく誰が座ってたのか知ってたらしい。。。


一つの机が生み出した、私の青い春でした。
ありがとう。

続きを読む

written by Rin

マンガ作者

女性 投稿マンガ数 56

倖(ゆき)といいます。 よろしくお願いします☺

エピソード投稿者

Rin

秘密 投稿エピ 4

よろしくお願いします!