分かっていたはずなのに軋んだ胸の音

コンテンツ名とURLをコピーする

元になったエピソード

あなたを好きになったって、無駄だって知っていた。
それでも、あなたの優しさと温かさに触れたら好きにならずにはいられなかったんだ。
私に向ける、あなたの優しい笑顔が好きだった。
でも、叶わないことは気づいていた。
あなたには守りたい大切な女の子がいる。
そのことは、聞かなくてもすぐに分かったから。

ある日、女の子と話しているあなたを偶然見かけた。
知らない子と話すあなたは、知らない顔で笑っていた。
あなたの笑顔は見たことがないほど優しくて、嬉しそうで、すぐにその子が誰か分かった。

あの日、私はそのまま踵を返して逃げ帰った。
あなたは知らない。
私のあなたに対する気持ちを。
あの時軋んだ胸の音も。実は一瞬目が合ったのに、私だと気づいてくれなかったことも。

こんな思いをするなら、いっそあなたと出合わなければよかった。
そうならばきっと、こんなにつらいことも、悲しいこともなかったのに。
でも、あなたに出会えてよかったと思うことも、きっとなかった。

続きを読む

written by 日向 葵

マンガ作者

蒼葉 陽(あおば はる)

秘密 投稿マンガ数 2

はじめまして、蒼葉 陽(あおば はる)と申します。 少女漫画っぽい漫画やイラストを描きます。 よろしくお願いします。

エピソード投稿者

日向 葵

女性 投稿エピ 13