私(瑠衣ルイ)は小学生の頃、「ちょっと男子!!」と鬼の形相で注意することが多かったです。男子たちの悪事に迷惑していた女子から「何とかして〜!!」と頼まれるのでみんなのため、鬼のようにガミガミ男子へ怒っていました。
そのせいで、男子から女子扱いされなくなりました。例えば大きな物を女子達と運んでいるときに
「それなら女子なしで瑠衣1人で運べるだろ」
と言われたりとか。すごくショックでした。
なので態度を改めようかと思って少し大人しく過ごしていたのですが、ただ一人だけ毎日毎日飽きずに私に突っかかってくる男子(秋シュウ)がいました。
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勉強は出来るのに、
・休み時間は鍵盤ハーモニカを弾きながら廊下を歩きまわる。
・変なダンス、変な歌、変な言葉を作って
それをしつこいほど披露。
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などと秀才とは思えない行動ばかりだし、何度私が注意しても止めず、周りのみんなも彼の行動に笑っていますが呆れてもいました。
私も私でついつい世話を焼いてしまっていましたが、何度注意しても反省してない彼を見て、うんざりしていました。ですが、彼を嫌いにはなりませんでした。なりませんというより、なれませんでした。嫌いになれない理由というのが、
普段私が男子へきつく注意してしまうため、その仕返しを受けることもありました。
机が液体のりでベタベタになっていたり、
死ねなどを含めた悪口を書かれた紙を私に直接見せてきたりなど色々受けてきました。
普段は堂々としていても、私も1人の小学生女子なので辛くて泣いてしまうこともありました。そんな時、秋は私を慰めてくれるのです。
「大丈夫か?」と声を掛けてくれたり、私が落ち着くまで黙って側にいてくれたり、頭を撫でてくれたりもしました。
普段は私に迷惑をかけてる彼なのに、私が弱っている時は助けてくれました。
不覚にもキュンとしてしまいました。
ですが、私はプライドが高かったので助けてくれたことにちゃんとお礼を言えませんでした…。
小学校を卒業してからは、中学も高校も別なので彼と会っていません。
が、秋のことは忘れることはないでしょう。
written by ミント
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