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俺が幸せにしたい、10歳年上の先輩

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元になったエピソード

先輩へ
僕と先輩の出会いは、僕が先輩の会社に転職してきたのがはじめでしたね。
10歳上の女性先輩で、はじめは正直なんとも思ってませんでした。入社して数日で「君が入ってきて部署人数が多いから、私、半年後には異動するんだ。」って言われたときはびっくりしました。よく話を聞くと、先輩は転勤で地元から離れてこの営業所に来たこと、半年間後には地元の営業所に戻ることになっていて、それまでに僕を指導してくれるということでした。
僕は半年間で先輩の代わりに仕事するんだ!って意気込んで毎日仕事に取り組みました。
今思うと、細かいことすぐに聞いてくるし、何回聞いても理解が遅い、甘い僕にイライラしたこともあったんじゃないですか?
でもそんな僕に先輩は嫌な顔一つせずに、丁寧に指導してくれて、夜遅くまで仕事に付き合ってくれましたね。ずっと傍で僕の仕事の成長を見て喜んだり、励ましたりしてくれたり、詰まったときはそっとフォローしてくれたり。
毎日毎日一緒に仕事している内に僕は先輩のことを好きになりました。この人なら一緒にいてもお互いを支えていける関係になれるんじゃないかなと思っていました。ある仕事現場で提携先の会社の営業の方が、先輩に「結婚しているんだっけ?」って聞いて、「していません。でも結婚したいし、子どもも欲しいなって思います。」と答えてる姿に、僕は内心小躍りしつつ考えました。先輩の年齢だと、付き合う=結婚になるんだと。告白するか、しないか悩んでいた僕はさらに悩みました。半年後には離ればなれになるけど、簡単な気持ちで告白する訳にはいかないんだと。
そんなことを考えながら、仕事していたある日、会社内の会話で先輩は「人と待ち合わせして、花火大会見に行ってきて綺麗だった」って言ってましたね。その時僕はドキッとしました。次の日、一緒に営業して回って歩いてる時に「先輩、彼氏出来たんですか?」って聞いたら、そうだよって笑顔で答えました。すごくショックだったけど、彼氏さんの話を色々聞きました。嬉しそうに話をする先輩の姿は、今まで隣で見てきた中でとても綺麗でした。
「ああ、この人を笑顔にするのは自分じゃない」と思い、告白するのは諦めました。
半年後、先輩は異動していきました。見送りする時に僕は人生初の大号泣。先輩はそんな姿を見て笑ってましたね。
半年間あなたに育てていただいて、今は一人でも仕事出来るようになりました。あれから仕事で大きな案件とってきて部署内の評価も上がってきているように感じます。でも正直もの足りないです。みんなに褒められるより、先輩に褒められる方がよっぽど嬉しかったから。
また明日から仕事頑張ります。もう一度会えたその時、「頑張ってるね!」ってあなたに言われる為に。

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written by あもん

マンガ作者

天音アモイ

女性 投稿マンガ数 7

京都市在住のイラストレーター、漫画家。6歳差の二人の娘たちとギニア出身の旦那との日常や多文化ネタ、実話あるあるなどをコミックエッセイに描いています。キュンとする恋愛エピソード、体験談など新しいジャンルにも挑戦していきたいと思っています。よろしくお願いします!

エピソード投稿者

あもん

男性 投稿エピ 11

「聞いて目の前に浮かぶ、ショートストーリー」を目指して、頑張って作ります。