数年越しの再会で、切ない奇跡

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元になったエピソード

高校時代ってクラス替えが結構大事なイベントだったりしますよね。
好きな子がいれば特にですが、せめてかわいい子が何人かいるクラスがいいなとか、男子ならまず真っ先に気になるものです。

高3のクラス替え。初日に座った席の隣は前から廊下で見かけたりしてかわいいと思っていたけれど、一度も喋ったことのないユミちゃんという女の子でした。
色白で高校生の割に大人っぽくて、おとなしいから話しかけづらいけど別に冷たい感じでもない。そして結構頭がいい。
好きだけど苦手なタイプです。

月日が過ぎて、たまに一言二言は話せるようになりました。しかし、何しろ彼女がおとなしいのでそれ以上会話は発展しないまま。

ある日の帰り際、僕が彼女に言いました。
「来週おれ誕生日なんでよろしくっ!」
もちろん期待なんてしてないけれど、ただ言ってみたかっただけなんですね。
困ったような顔で頷くユミちゃん。
タナボタのプレゼント狙い。とにかくみんなに言うだけ言う、高校生ぐらいの年頃ならよくある話です。

週が明け、放課後。部活に行こうとする僕にユミちゃんが声を掛けてきました。
振り向くと手に小さな紙袋が。
??もしかして…誕生日の?
ユミちゃん顔が笑ってない…でも、そっと手渡されました。
なんかバレンタインに義理チョコもらうような空気、でもいいかっみたいな。
しかしそれ以降ユミちゃんとは特に進展もなく、席が変わって話す機会もほとんどないまま終わり、卒業しました。

卒業して数年後、同窓会がありました。
しばらくぶりにユミちゃんとも再会、大人になった彼女はさらに綺麗になっていました。
飲みながら打ち解けて、高校当時より会話も弾みます。
突然ユミちゃんが言い出しました。
「わたしすごい好きだったんだよ、ほんとは。」
「うそだろ笑」
「だってプレゼントあげたじゃん!」
「えっそういう意味だったの?いや、なんでくれるのか不思議だったんだけど」

僕は彼女の気持ちになんて全然気づいてなかったんですね。
こんな可愛い子が僕に…あまりに想定外だったので意識すらしなかったのです。

結局その後ユミちゃんは地元で他の男性と結婚したのですが、もし高校時代の僕が鈍感じゃなかったら付き合えていたんでしょうね。
高3じゃ最後まで彼女が出来ずじまい。もう少しヒントをくれてたらなあと、今更ながらすごく後悔しました。

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written by 恋エピ公式

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貴色

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