君と一緒に写真を撮りたい

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元になったエピソード

知らなかった、少女漫画のような恋が私にも訪れるなんて。高校2年生の私には気になっている男の子がクラスにいる。彼はクラスの中心的存在で同性からも異性からも人気のある子だ。たくさんの人が彼の周りを囲み、いつも笑顔がキラキラと輝いている男の子。友達作りが上手くいかず、私は休み時間に一人で本を読んでいることが多かった。休み時間に本を読みながらほんの少しだけ彼を眺めるのが日課だった。自分があまりにも見すぎていたからだろうか、彼とよく目が合うようになった。目が合うと何だか気まずくて、すぐに目を逸らしてしまう。微笑み返したり、話しかけたりなんて到底できっこない。なんのアクションもなく3ヶ月が過ぎた頃、体育祭が開かれた。校則の厳しい私の学校では携帯の使用が禁止されており、行事の時だけカメラが使うことが許さる。だから体育祭は友達と写真を撮ることの出来る数少ない行事の一つだ。撮る相手のいない私は人から写真を撮って欲しいと頼まれることが多く、撮る側に徹していた。そんな中、彼も私に写真を撮って欲しいと頼んできた、カメラを持っていた私は彼と彼の隣にいる男の子に向かってカメラを構えた。すると彼は「違うよ、君と撮りたいんだ」と言って私の近くに駆け寄ってきた。そして私の手にあったカメラを彼の友人に手渡し、私は彼と写真をとった。信じられない出来事にお礼も上手く言えなかった。すごく嬉しかった。後日、彼にお礼を頑張って伝えた。その時彼から「俺が撮りたかっただけだから、君のこといいなって思ってて、俺と付き合って欲しい」と衝撃的な言葉が返ってきた。彼からの告白なんて到底予想もしていなかった。「……私でよければ」と返事をして、私たちは見事結ばれた。今では私たちは学校の有名おしどりカップルと名が広がっている。いつまでも彼の隣に入れたらいいなと強く願う。

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written by らん