「ねぇ、彼氏の好きなところ20コ書いてみて!笑」
中学1年生、友達との何気ない休み時間での会話。当時、私には付き合って4年になる彼氏がいました。
「20コとかよゆーやん!笑」
私は友達のふざけた提案に、ふざけて返しました。すると友達はメモ帳を3枚ちぎって私に渡しました。冗談で言っているのだと思っていたら、友達は本気だったのです。私はシャーペンを持ってメモと向き合いました。
「まずわ〜、かっこいいところやろ?優しくて、おもしろいところ。それから走りが速いのも!ちょっとアホなところも好きなんよ〜。あとは、友達思いなとことか、バスケに一生懸命なとことかぁ〜、」
私はあっという間に彼の好きなところ20コ書き終えました。今思えば、同じようなことしか書いてなかっただけですけどね。笑
「さすがやん!!ちょっと行ってくる!!」
友達は私が書いたメモ3枚を持って、どこかへ行ってしまいました。私は気にも止めず、次の授業の準備をしました。
数分後、友達が元気いっぱい笑顔いっぱいで戻ってきました。そして私のところへ来て、3枚のメモを見せながら嬉しそうに話してくれたのです。
「今な、〇〇の彼氏んところ行ってさっきのメモ渡してきたらすっっっごい喜んでたで!!」
「えっ、ほんまに!?うれし恥ずかしやーん笑」
まぁそんなことだろうと思っていたので、喜んでくれてよかった〜ぐらいにしか受けとめていませんでした。でも友達は続けて話してくれました。
「そしたら『俺も書く〜!』って言って、〇〇の好きなところ20コ書いてくれたねん!!笑」
私は驚いて、そのメモを見ました。
ほとんど私が書いた彼の好きなところ20コのパクリでしたが、『光っている』とか『かがやいている』など、彼らしいちょっとおバカな言葉に私は思わずくすっと笑ってしまいました。
なんてことない普通の日常、彼との日々が、思い出が、今となってはキラキラ輝いて、あの頃を思い出すたびに少し泣きたくなります。
written by あめ
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