冷ややかな花火大会

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元になったエピソード

大学一年生の夏、高校卒業と同時に付き合い始めた彼氏がいました。

彼からのアプローチで付き合うことになったのですが、
彼は志望校に受からず、滑り止めの大学には進学せずに予備校に通っていました。

本当は付き合う余裕はなかったと思いますが、
彼の気持ちに押され、私たちは付き合い始めました。

その年の夏、門司港の花火大会に誘われて、行くことにしました。

私は既に大学の新しい生活を楽しんでいるなか、
彼は毎日勉強づけの日々で、あまり上手くはいってなかったと思います。

その日、久々のデートでとてもウキウキしていた私に対し、彼は終始どことなく浮かない表情でした。
そして花火の最中、私にこう話しかけてきました。

「周りのカップル、楽しそうだね。」
おそらく何気なくそう感じたのでしょうが、私にはとてもショックな一言でした。

私達だってカップルだし、一緒にこの場に来れて嬉しいし、楽しいはずなのに、
なんでそんな事を言うのか分かりませんでした。

結局、会話も盛り上がらず、2人で静かに花火を眺めていました。
楽しそうな人ごみの中、私たちの空間だけ何か冷たい空気にまとわれている様に感じました。

結局、彼は勉強に集中したいと言って、私から離れて行きました。
毎年、花火の時期になると、あの時の切ない気持ちを思い出します。

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written by 恋エピ公式

マンガ作者

とり乃から揚げ

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