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ホワイトデーはお返しをあげる為だけの日じゃない!

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元になったエピソード

私が働いている会社のビルの1階にはコンビニがあります。
そこで働く店員さんが、いつもとても素敵な笑顔なんです。

私がその人を気になりだしたのは去年のバレンタインの時。
毎年かなりの数のバレンタインチョコを、事前にデパートで購入するのですがどうやら数を間違えたらしく1個少ない。
これはまずいと階下のコンビニに走りチョコレートを1つ買いました。

その時、ほぼ毎日会うコンビニの店員さんが、ふと「特別な人にあげるんですか?」と聞いてきたんです!
その日までまったく意識したこともなく、顔を覚えている程度の存在だった店員さん。
「いえ会社で配る義理チョコをひとつ買い忘れてしまって・・・」と答える私。

何となく気になる。
コンビニでバレンタインのチョコを買う人なんて、おそらくたくさんいるだろう。
義理チョコだろうけど・・・

何でわざわざあんなこと聞いたんだろう?
コンビニから出た後も、そのことがとても気になりました。

ただの興味なのかそれてとも特別に意味のある質問だったのか?
そのことが頭から離れなくなりその店員さんが気になりだしました。

そのままバレンタインは終了し、翌朝からなぜかコンビニに行くのに緊張している私。
何となく今まで平気で買っていた栄養ドリンクが買いづらい、カップラーメン大盛りも買いづらい。

この気持ちは何なのか、それに彼の真意も分からない。
店員さんは翌日からもいつもどおり、「おはようございます」と声をかけて、「ありがとうございました」と見送ってくれるだけ。

そんな状態で迎えたホワイトデー。
朝コンビニに寄ると、あの店員さんはいませんでした。
初めてのことではないけれど、何故かひどくがっかりしました。

やっぱり何か期待していたのかなーと、ちょっと自分が情けなくなりました。
あげても無い人からお返しがもらえる訳ないのに・・・

それでもやっぱり何となく顔が見たくて、その日は仕事が終わってからもコンビニに寄りました。
するとあの店員さんがいたんです。

家の近所でも無いコンビニ、特別買うものもなくただ飲み物を買ってレジに行きました。
いつも通りの対応をする店員さん。

あの質問に深い意味は無かったんだなーと、勝手にどきどきした自分が恥ずかしくなりました。
商品を受け取ってそそくさと店を出る私に、店員さんが追いかけてきて突然小さな包み紙を押し付けました。

「もらって下さい」とだけぼそっと言うと、コンビニ目指して走り出してしまった店員さん。
ちらっと見えた彼の顔はいつもと違って照れているように見えました。

貰ったのはそのコンビニで売っているホワイトデーのキャンデーを抱いた小さなテディベア。
テディベアは飴の他に手紙も抱いていて、小さく今度デートしてくださいと書かれてました。

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written by 恋エピ公式

マンガ作者

とり乃から揚げ

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