俺が野球選手でお前はアナウンサー30

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結局その日は一日中うたに避けられ、私は必然的に一人となった。

体育のプールの自由時間は、アイコちゃんとなーちゃんが私を誘って遊んでくれたけれど、それを見ていたうたから、すれ違いざまに「裏切り者」と言われた。

ロッカーで着替えている時には、うたと仲の良い隣のクラスの女子(面識ない)と目が合い

「うわっ…ロッカー隣だったんだけど最悪(笑)」

と、私の事を見ながらコソコソとうたと話していた。


私がお前に何をした


何の関わりもない女子からの悪口に内心イライラしながら、それでも悲しい気持ちの方が勝って、どんどん気持ちが沈んでいくのが分かった。



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ストラップありがとう!
あと、日曜日は電話してくれてありがとう!休みの日も松井と話せて嬉しかったです。松井の誕生日はいつですか?

話しは変わるけど、体操部も陸上部もミニバスもない日があったら一緒に帰ろう!
今週の金曜日は帰れますか?

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家に帰った私はすぐに北山くんとの交換ノートを開き、元気を充電した。

言葉一つ一つにしっかり北山くんの気持ちがこめられているのが伝わって、どのページも読む度に心があたたかくなった。


私にはアイコちゃんやなーちゃん、それに北山くんもいる…!

もうすぐ夏休みだし!

もう少しの辛抱だ


気合を入れ直して、前向きな気持ちで交換ノートを書き始めた。



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私も日曜日、北山くんと話せて嬉しかったよ!でもやっぱり少しだけきんちょうしたかな(笑)
夏休み中もまた電話するね(*^^*)

私の誕生日は1月△日です。
北山くんの誕生日に似てるね♪

部活がない日、一緒に帰りましょう!
今週の金曜日はミニバスも体操部もないから帰れるよ♪
でも、ちょっときんちょうする(><)(笑)

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私「一緒に帰るって…!なんか中学生みたい!緊張する〜!!」

私は早速、金曜日のことを妄想してバタバタと暴れ悶えた。

北山くんとは普段出入りする校門は同じだったけれど、家はそれなりに遠い町だと聞いたことがあったので、どこまで一緒に帰るのか少し疑問を残しながら、その日をとても楽しみにしていた。


私「明日もきっと無視されるんだろうな…」


浮かれていたはずなのに、今日の出来事が頭の中から完全には消えなくて、少し重たい気分で翌日の時間割の準備を始めた。




written by ハチ

エピソード投稿者

ハチ

女性 投稿エピ 30