俺が野球選手でお前はアナウンサー27

コンテンツ名とURLをコピーする


修学旅行が終わった7月のある日

お互いの気持ちを知ってからも北山くんと私の関係に特別な変化はなかった。

ただそんな中でも、2人でいる時は私の事を素直に褒めたり気遣ってくれたりと、北山くんから大切にされているということは毎日伝わっていた。

私はというと、うたの事もあり、なかなか自分の気持ちや思っている事を北山くんに伝えられずにいた。


私が北山くんの事を大切だって気持ちは、ちゃんと伝わっているかな?


学校が終わって母としまむらで買い物をしている時に、鍵付きの交換ノート(水色に青と白のハートが書かれたビニールカバーがついたやつ)を見つけて、いても経ってもいられず、購入してすぐに北村くん宛に日記を書いた。


ーーーーー

いきなり交換ノートなんて渡されてビックリしたよね?ごめんね。
学校で話すだけじゃ足りないと思ったので、交換ノートをやりたいなと思いました。

北山くんも書いてくれたら嬉しいな!

ーーーーー


翌日の放課後、クラスの男子とサッカーへ向かおうとする北山くんを引き止めて交換ノートを渡した。

私「これ…2人でやりたいなと思ったんだけど、北山くんも書いてくれる?」

北「…交換ノート?書く…!」

くるくるとノートの表裏を確認して即答した北山くんに安心した。

私「よかった…私はもう書いてるから」

北「え!……早く読みたい」

私「家に着くまで読まないでね!あと、これが鍵」

鍵を受け取って、ニコニコ嬉しそうに笑う北山くんを見ていると、私もつられてニマニマしてしまう。北山くんは筆箱の中に鍵を入れて、交換ノートをしまうと

北「めっちゃ楽しみ!ありがとね!」

と言って教室を出て行った。


ーーーーー

もっと話したいなと思ってたから、松井が交換ノートやろうって言ってくれて嬉しかったです。ありがとう!

もうすぐ夏休みだけど、松井は携帯持ってますか?もし持っていたら、休みの日も電話で話したいです!

俺の番号は△△-〇〇-□□です!

ーーーーー


北山くんとの交換ノートは毎日遅れることなく交わされた。毎回読むのが楽しみで、朝に受け取った時には家に帰るまでずっとソワソワして落ち着かなかった。

自宅

私「もっと話したかったって…同じ事考えてたんだ…!きゃ〜!」

そして毎回、北山くんからの返事を読む度に、私は部屋のベッドでジタバタと暴れ悶えていた。


ーーーーー

北山くん、携帯買ってもらったんだね!すごい!私は中学まで買ってもらえないから、家から電話することになるかも…

夏休みは会えなくなっちゃうけど、電話できるなら寂しくないね!電話番号、教えてくれてありがとう!

話は変わるけど、日曜日は北山くんの誕生日だよね?お誕生日おめでとう♪
少し早いけど、一番最初にお祝いしたかったから(*^^*)
修学旅行の時に見つけたストラップ、一緒に付けてくれたら嬉しいです。

ーーーーー


水色の紐が付いたハートのストラップを小さな包みに入れてノートに挟み、ドキドキしながら金曜日を迎えた。

北「…なんか分厚くね?(笑)なんか入ってる?」

私「まだ見ないで!!家で見て下さい」

北「じゃあ放課後に渡してくんね!?めっちゃ気になるんですけど!(笑)」

無理矢理ランドセルの中に交換ノートを突っ込んで、チラチラと私の様子を伺いながらノートの隙間を覗こうとする北山くん。

私「だめ!(笑)見たら怒るから!」

北「はーい(笑)」


来週、ストラップ付けてきてくれたら嬉しいな…

不安と楽しみでごちゃ混ぜの気持ちになりながら、私は密かにある計画を立てていた。



written by ハチ

エピソード投稿者

ハチ

女性 投稿エピ 30