俺が野球選手でお前はアナウンサー25

コンテンツ名とURLをコピーする


バスでの出来事がまだ信じられなくて、鎌倉を散策している間も私はどこか夢心地でふわふわとした気持ちで歩いていた。

雨の中、傘をさしながら班のみんなと鎌倉の街を散策し、お昼ご飯に何を食べようかとお店を探し始めたところ

「見て見て!マックが茶色い!!」

男子たちが興奮気味に指差した。

「「マックにするか!」」

せっかく鎌倉まで来たというのに、私たちは結局マックで昼食を食べた。店内には他にも同じ学校の児童がいて、誰かと遭遇するたびに

「オイ〇〇、お前ここで何してんだよ〜!」

という男子の賑やかな声が聞こえてきた。笑



昼食を食べ終え小町通りに向かって歩いていると、人だかりができているお店があったので、そこへ行ってみることにした。

私「きなこ棒だって!…おいし〜!」

北「よかったね(笑)」

私「!」

お兄さんから試食をもらって食べていると、北山くんたちの班も後から来ていたようで、試食に喜ぶ姿を見て笑われた。

北「やっと会えた」

周りに聞こえるか聞こえないかくらいの声でサラッと言うのでハラハラしていると、聞こえていなかったらしく、みんなきなこ棒に夢中になっていた。

北「あの飴もったいなくて食えないから違う味ちょーだい」

私「え〜?…なんか恥ずかしいね」

予想外の言葉にニマニマしながら、リュックの中から残り2つの「すき」とプリントされたイチゴ味の飴を出して渡した。

北「…嬉しいけど!(笑)別のやつないの?」

私「すきって書いてあるやつ、その3つしかなかったんだよ?」

北「…全部俺にくれたんだ?」

ニコニコしながら嬉しそうに私の話しを聞いてくれる北山くん。

私「うん…だから、食べてね!」

照れ臭くなって少し怒り気味に返事をすると

北「全部とっとく!」

買い物を終えた同じ班の男子と肩を組んで、またな!と言って去って行った。


うた「ハチは?もう買った?」

私「あ、まだだった…!」

うた「何個買う?」

私「2袋」

うた「食い過ぎ(笑)あたしは1袋でいいや」


お会計を済ませて次の目的地へ向かう途中、


うたはどう思うだろう

やっぱり怒るかな

それとも悲しむかな

どのタイミングで打ち明けよう


できれば今まで通り友達でいてほしい、仲良くしてほしいと思いながら、伝えるタイミングを考えていた。



written by ハチ

エピソード投稿者

ハチ

女性 投稿エピ 30