俺が野球選手でお前はアナウンサー24

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窓に書いたのは、お互いの出席番号だった


北「え…」

私「……これって、番号合ってる?」

北「間違えるわけねーだろ、松井じゃないんだから(笑)」

前の座席と窓の間から優しい顔でフッと笑った北山くんの横顔が見えた。

私「流石に私だって間違えないよ…!」

北「ほんとかよ…(笑)」

私「うん…」


北「……これって、いつから?」

私「去年の運動会の時から」

北「全然気付かなかった…!(笑)」

私「北山くんは?」


北「……5年の時、席替えで離れて気付いた」

「お前がいないとつまんないなって…」


そ、そ、

そういうことだったのかー!!!


今まで引っかかっていたことやモヤモヤが一気に晴れて、私の頭の中は一気にお花畑と化した。

私「私も寂しかったよ。だから今日、こうやって話せてほんとに嬉しかった」

北「同じ事考えてた(笑)」

担任「はい、皆さーん!まもなく〇〇SAに到着しまーす!」

「トイレ休憩が終わったら▲時▲分にはバスに戻るように!遅れたら置いて行きますからねー!」


先生の一声でバスの中の活気が徐々に戻り、暫くして、目を覚ましたうたが私の隣へ戻ってきた。

私「うた、私だけ窓側で寝ててごめん。大丈夫だった?」

うた「寝たら回復した〜。ハチも降りるでしょ?一緒にトイレ行こ」

私「うん。あ!飴あるけど舐める?」

うた「スヌーピーじゃん!可愛い〜!ありがとう」


近くの席の子たちにも一通り好きな味を選んでもらった後、

私「北山くんはレモンがイチゴ、どっちがいい?」

北「俺だけ選択肢少なくね?(笑)」

私「もらえるんだからいいじゃん!」

北「じゃあレモンで」

私は前の日に分けておいた「すき」のメッセージがプリントされた飴を見えないように握りしめ、座席と窓の間から北山くんの掌の上に置いた。


北「…あ、」


北山くんは掌に置かれた飴をじっと見つめた後、飴を握りしめて


北「ありがとな…!」

と私に笑いかけた。



多分、ちゃんと伝わった

私が北山くんを好きなこと




written by ハチ

エピソード投稿者

ハチ

女性 投稿エピ 30