俺が野球選手でお前はアナウンサー21

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掃除の時間

私たちの班は図工室担当だったので、人目が少ないこともあり、大体お喋りしながら掃除していた。

教室から図工室へ向かう途中、何を言われるのかドキドキしながらアイコちゃん・なーちゃんと廊下を歩いていると、図工室に入った瞬間、待ってましたと言わんばかりにアイコちゃんが口を開いた。

ア「ねぇ聞いたよ〜!2人とも北山の事好きなんでしょ?」

片手間のようにほうきでゴミを集めながら、目をキラキラさせて聞いてくる。

私「ショック…うた、みんなに言いふらしてるんだ」

ア「あ、違うちがう!クラブの時にうたがハナに相談してて、うちら同じ班だったから一緒に聞いてたんだよね〜」

な「そうそう」

私「他に聞いてた人いる?」

ア「うちらだけだから大丈夫っ♪」

何のための個別の交換ノートなのか…

みんなが集まるクラブの時間にわざわざ相談しなくてもいいのに、と少し苛立ちながら話しを聞いていると、一緒に床を拭いていたなーちゃんが「ぜったい誰にも言わないから安心して!」とグッと親指を立てて言った。

ア「うちらハチちゃん派だしね〜♪」

な「ねっ!」

うたはクラスの中で性格がキツい、怖いというイメージが定着しつつあったので、一部の女子からは腫れ物に触るように扱われていた(今思うと私もその一人だったと思う)。ただ、グレている男子からすればそれが堪らないらしく、不良男子からはモテていた。

ア「そういうわけだから、北山とのこと応援させてっ!♪」

私「あ、ありがとう…!うたはハナに相談してるみたいだから、私は誰にも話せないなって思ってたんだ」

純粋に2人の気持ちが嬉しくて、悩んだ時に話せる存在がいることが嬉しくて、だんだんテンションが上がってきた私は全速力で雑巾掛けをした。

私「うぉぉぉりゃぁぁぁ!!!」

ア「なになに、何事?」

な「うぉぉりゃぁぁぁ!!」

私の後に続くなーちゃんを見て

「ごめん私はついていけないわ」

とアイコちゃんが呆れたように笑った。



written by ハチ

エピソード投稿者

ハチ

女性 投稿エピ 30