掃除の時間
私たちの班は図工室担当だったので、人目が少ないこともあり、大体お喋りしながら掃除していた。
教室から図工室へ向かう途中、何を言われるのかドキドキしながらアイコちゃん・なーちゃんと廊下を歩いていると、図工室に入った瞬間、待ってましたと言わんばかりにアイコちゃんが口を開いた。
ア「ねぇ聞いたよ〜!2人とも北山の事好きなんでしょ?」
片手間のようにほうきでゴミを集めながら、目をキラキラさせて聞いてくる。
私「ショック…うた、みんなに言いふらしてるんだ」
ア「あ、違うちがう!クラブの時にうたがハナに相談してて、うちら同じ班だったから一緒に聞いてたんだよね〜」
な「そうそう」
私「他に聞いてた人いる?」
ア「うちらだけだから大丈夫っ♪」
何のための個別の交換ノートなのか…
みんなが集まるクラブの時間にわざわざ相談しなくてもいいのに、と少し苛立ちながら話しを聞いていると、一緒に床を拭いていたなーちゃんが「ぜったい誰にも言わないから安心して!」とグッと親指を立てて言った。
ア「うちらハチちゃん派だしね〜♪」
な「ねっ!」
うたはクラスの中で性格がキツい、怖いというイメージが定着しつつあったので、一部の女子からは腫れ物に触るように扱われていた(今思うと私もその一人だったと思う)。ただ、グレている男子からすればそれが堪らないらしく、不良男子からはモテていた。
ア「そういうわけだから、北山とのこと応援させてっ!♪」
私「あ、ありがとう…!うたはハナに相談してるみたいだから、私は誰にも話せないなって思ってたんだ」
純粋に2人の気持ちが嬉しくて、悩んだ時に話せる存在がいることが嬉しくて、だんだんテンションが上がってきた私は全速力で雑巾掛けをした。
私「うぉぉぉりゃぁぁぁ!!!」
ア「なになに、何事?」
な「うぉぉりゃぁぁぁ!!」
私の後に続くなーちゃんを見て
「ごめん私はついていけないわ」
とアイコちゃんが呆れたように笑った。
続
written by ハチ
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