日光遠足 当日
自宅
母「ほんとに忘れ物ないの?雨も降るかもしれないから、折り畳み傘持たないと」
おはスタを見ながらまったり朝食を食べていると、心配になった母が確認した。
私「昨日準備してるから大丈夫!(モグモグ)」
母「あっそ〜。一番困るのは自分なんだからね?」
私「大丈夫だよ」
時間になったので黄色い帽子を被り、リュックを背負って家を出た(学校まで徒歩5分)。この日は1日晴れることがなさそうな空だった。
校門を潜る前から学校の駐車場に大きなバスが4台並んでいるのが見えて、近付くにつれてみんなの賑やかな声とバスの独特な排気ガスのにおいがしてワクワクした。
私「おはよ〜!」
うた・ハナ「おはよ〜!」
2人と合流して、お小遣いをいくら持ってきたかとか、おやつは何を持ってきたとか、他愛もない話しをしていたら
「班ごとに並んで下さーい!」という先生の声がして、それぞれ自分たちの班のメンバーを探した。
私「おはよ〜!」
「ハチちゃんおはよ〜」
「おはよう」
北「やっと来たか!」
班のみんなと合流し整列すると、校長先生の話しを聞いてからバスに乗り込んだ。
いろは坂の試練を無事に乗り越えて、山の上の方に着くと外は雨が降っていた。
戦場ヶ原に到着し、バスから降りて折り畳み傘をリュックの中から探していると
私「な、無い…!!」
「え、ハチちゃん…傘ないの?カッパは?」
同じ班の女の子が傘に入れてくれながら一緒にリュックの中を探してくれたが、どちらも見当たらなかった。
他にも忘れた児童が何人かいたらしく、列の前で先生がゴミ袋を配っていた。
担任「こんなにいるんですか?!まったく…服が濡れないように、首と腕のところに穴をあけてカッパの代わりに被ってください」
ピリピリと穴を開けてゴミ袋を被ると、私の姿を見るなり北山くんが吹き出して
北「え、松井カッパ忘れたん?だっせ〜(笑)」
と私を指差してケラケラ笑った。
貧乏クサイてるてる坊主みたいな自分の姿に恥ずかしくなりながら、まぁ濡れるよりマシか…!と、そんなこともすぐに忘れて雨の中、木道の上を滑らないようにゆっくり歩いた。
その後、昼食を食べて、お土産屋さんでも財布を忘れていることに気付く(ほんとに鈍臭すぎ)。
見かねた担任の先生が欲しい物を聞いてきて、その分のお金を貸してくれた。
家に帰ると母が少し怒った様子で待ち構えていた。
母「おかえり。雨降ってなかった?そのお土産は?どうやって買ったの?」
私「あの、傘忘れちゃって…お土産は、先生がお金貸してくれて…」
母「先生にお金借りたの?!だから言ったでしょ!傘も財布も、靴箱の上に置きっぱなし!先生にも迷惑かけて!!」
そ、そうだった…!
前の日に、忘れないようにと傘と財布だけ玄関に置いておいたのに、それすら忘れていたのだ。
母は急いで担任の先生にお詫びの電話を入れた後「あんたは自分で思ってるほどしっかりしてないんだから!人より余計に確認しないとまた同じことになるよ!?」と怒った。
戦場ヶ原の中継地点で撮った班の記念写真にはゴミ袋を被った私の格好悪い思い出が残った。
続
written by ハチ
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