私は北山くんが好きなんだ
気持ちに気付いた時、嬉しくてすぐに本人に伝えたくなったけれど、そこはグッと堪えた。
次の競技の準備のためバタバタと忙しなく走り回る人たちの中で、 2人でクラスの待機場所に向かって歩きながら、私は少し落ち着かない気持ちで北山くんの横顔をチラリと盗み見た。
北山くんと話す時は全然緊張しない
でももっと話したいと思う
もっともっと、笑った顔が見たいと思う
他のどの男の子よりも、北山くんと一緒にいる時が一番楽しくて、一番安心する
同じクラスで、同じ班で、隣の席
毎朝「おはよう」って言ってもらえるし、給食も毎日一緒に食べられる…!
教科書忘れた時は私が見せてあげられる…!
1ヶ月後に控えた遠足も一緒に行動できるんだ…!
今まで当たり前だったことが急に特別なことのように感じて、私は幸せな気持ちで北山くんの隣を歩いていた。
いつか同じ気持ちになれたらいいな
そうなれたらいいな、と思った。
続
written by ハチ
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