小5の秋
運動会当日
リレーのクラス代表選手として出ることが決まっていた北山くんと王子くん。
運動会の席は背の順だったため、私と王子くんの席は近く、王子くんがリレーに向かう前に私は勇気を出して声をかけた。
私「王子くん…!」
王「はい!」
私「リレー、頑張って!」
王「ありがとう…!頑張ります!!」
ニコッと笑いながらガッツポーズをして、待機場所へ走っていった王子くんを見送っていると
北「お熱いね〜!」
私「びっくりした…!北山くんもビリにならないように頑張ってね!」
北「なるわけねーだろ!(笑)」
リレーの結果は見事圧勝
やったー!と興奮しながら2人の帰りを待っていると
「よっしゃ1位〜!」と大騒ぎで戻ってくるのかと思いきや、Tシャツの裾で汗を拭い、息を整えながら落ち着いた様子でゆっくり戻ってくる北山くんの姿から目が離せなくなってしまい
王子くんが戻って来ていたことに気が付かなかった。
「おめでと〜!」とクラス全体がお祝いムードに包まれてハッと我に帰った私は、気付いたら走り出していた。
私「お疲れ様!」
北「おう!」
私「1位おめでとう」
北「ありがと!まぁ余裕だったわ!」
私が1番に声をかけたのは北山くんだった。
きらきら光る汗に
ニカッと笑った豪快な笑顔
見ているだけで心がホッと安心した。
一番最初に「おめでとう」を伝えたくなった。
私は北山くんが好きなんだ
続
written by ハチ
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