水曜日
北「おぅ、松井大丈夫か?」
私「おはよう〜もう大丈夫!」
念のため火曜日も休んで5日ぶりに登校すると、私に気付きながらも何やらヒソヒソと話しているうたとハナ。
北「お前よかったのかよ?応援団。王ちゃんも一緒だったのに」
私「あ!やっぱり人気だったの?」
北「うーん、なんか…」
チラリとうたの方を見た後、北山くんが声を潜めて言った。
北「竹本が〝ハチは音読が得意だから放送係がやってみたいって言ってた‘’って先生に言ってた」
私「え、」
北「……やっぱ違うの?」
私「応援団がいいって、北山くんとも話したじゃん」
北「でも応援団は竹本と梅沢と林で丁度3人だったからすぐ決まっちゃって…てか、なんであのタイミングで風邪ひくんだよお前!運なさすぎだろ(笑)」
私「たしかに…!!係決めのこと普通に忘れてた」
北「変なやつ。まぁ、係は別だけど頑張ろうぜ!」
私「うん…」
他の子と3人でやりたかったならそれでいいのに、なんでわざわざ〝音読が得意だから”とかみんなの前で鼻につく言い方をしたんだろう。
少し恥ずかしいような、悲しいような気持ちでぼーっとしていると、見かねた北山くんから「元気出せよ!」と肩を叩かれた。
私「うん、ありがとう」
朝の会が終わって、うたとハナの元へ行くと
うた「ハチ風邪大丈夫〜?心配したよ〜?」
ハナ「……もう熱は下がったん?」
私「うん、もう平気。係決めの時はごめんね!私休んじゃったから」
うた「しょうがないよ。ハナとあたしは応援団で、林ちゃんも応援団なりたがってたから、ハチだけ放送係になっちゃったんだけど…ごめんね?」
私「あぁ、審判係にはしなかったんだね?」
うた「そうそうそう、やっぱり応援団やりたいね〜ってハナと話してて〜」
ハチ「……」
私「そうなんだ」
あんなに応援団嫌そうだったのに…
休んだ私が悪いけど
全く動揺することなく平気な顔で嘘をつくうたの顔を見ていると、苛々も悲しさもスッと消えて感情が無になった。
もう決定したことだから、気持ち切り替えて忘れよう。
私「あ…そういえば、王子くんも応援団なんだって〜?ハナだけずるい!」
ハナ「ごめんねハチ!王子くんと一緒にハチのこと応援するから♪」
私「私はそんな王子くんを応援しちゃうっ!」
ハナ「私も負けじと応援しちゃうっ!」
私・ハナ「あはははは!」
うた「……ハチが元気そうで安心した」
2人でけらけら笑っていると、黙って様子を見ていたうたがニコリと微笑んで呟いた。
チャイムが鳴り、うたとハナがそれぞれ自分の席に戻ると、ずっと隣で話しを聞いていたらしい北山くんが
北「やっぱ竹本ってこえーな」
と苦笑いしていた。
続
written by ハチ
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