朝食後、
海岸での自由時間
みんなが裸足で駆け回ったり砂のお城を作ったりしている中、準備でもたついて出遅れた私は、先に外に出ていたうたとハナを探しながら1人で貝殻を集めていた(地元が海なし県なのでみんな嬉しそうでした)。
近くで北山くんの声がして振り向くと、北山くんと一緒にいた王子くんとばっちり目が合った。
王「あ…お、おはようございます」
私「おはよう…!」
北「おぉ松井!一人で何してんの?(笑)」
いきなりの王子くん登場にかなりテンパっている中で、北山くんの顔を見てなんだかとても安心した。
もしかして、わざわざ王子くんを連れてきてくれた…?
私「2人とも先行っちゃったから、貝殻集めながら探してた」
北「どんくせー!」
私「うるさいなぁ」
王「ははっ、なんかいっぱい持ってる」
手のひらいっぱいの貝殻を見た王子くんが、私の横に屈んで笑った。
私「綺麗なやつだけ厳選してるんだよ」
王「え、厳選してこれ?」
私「うん。一個あげる」
王「ありがとう!見て、もらった…(笑)」
私があげた貝殻を北山くんに向けて掲げて見せる王子くん。
北「いらね〜!(笑)」
私「ひどっ!」
王「…竹本と梅沢、さっきあっちで見たよ」
私「えっ?あ、ほんとだ」
王子くんが指差した方向を見ると、うたらしく、みんなから離れた階段でハナや他の女の子数名と座って話しているようだった。
北「やっと仲間と合流できるな!」
私「うたは貝殻集め興味なさそうだけど」
王「たしかに(笑)」
私「行ってくるね、ありがとう!」
もう少し話したかったけれど、これ以上何を話したらいいか分からなくて、ほとんど逃げるようにしてその場を立ち去った。
みんなと合流して集めた貝殻を見せると、案の定うたは興味がなさそうで「私も見つける〜!」と言ってくれたのはハナだけだった。
続
written by ハチ
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