梅雨の時期
夏の臨海学校に向けて班の中の役割分担決めの時間。
各班ごとに机を向かい合わせにくっつけて話し合いをしました(この時の班は北山くん・うた・私が同じ班、ハナ・王子くんが同じ班でした)。
北「班長やりたい人〜」
私 ・北 「「はい!!」」
うた・他3人「(シーン)」
北「はぁ!?松井お前ふざけんなよ!」
元々私たち4班の班長をしていた北山くんは、臨海学校の班長も当然自分がなれるものだと思っていたのか、私が立候補したことに納得がいかないようでした。
私「ここは公平にジャンケンだね!」
北「……よし、じゃあ3回勝負な!」
結果、
2勝1敗で私の勝利
北山くんは保健係に
北「……(ムスッ)」
担任「はーい、時間なので席を元に戻して!決まった班から教えて下さい」
ジャンケンで負けてから机に肘をついてあからさまにふて腐れる北山くん。
さっきまであんなに威勢がよかったのに…
なんだか可哀想になってきた
他の班が次々と決定した役割を先生に伝えていく中、少し悩んだ後、私は目立たないよう北山くんの横にしゃがんで声を掛けました。
私「北山くん(小声)」
北「何」
相変わらず肘をついたままこちらに背を向け機嫌が悪そうな北山くん。
私「あのさ、やっぱり北山くんが班長やって(小声)」
北「は!?何なん?」
予想外の提案に驚いたのか、勢いよく体を起こした北山くん。
私「北山くんの方が班長慣れてるでしょ?だから、保健係と交換しよう」
北「はぁ?何だよそれ」
私「お願い!」
北「…しょーがねぇなぁ!わかったよ」
文句を言いつつもすぐにいつもの調子に戻った北山くんを見て安心した私は、ホッとした気持ちで自分の席に戻りました。
担任「次、4班の班長は誰ですか?」
北「……え、ほんとにいいの?(小声)」
ぐるりと私の席の方を振り返って確認する北山くんに黙って頷く私。今度は急いで先生の方を振り返り、勢いよく手を挙げた。
北「はい!」
授業が終わり、帰りの準備をしていると、友達と肩を組みながら楽しそうな様子で私の席までやってきた北山くん。
北「お前変だよな〜!急に班長変わって〜って言ってくんだもん」
私「保健係がやりたくなっただけだよ」
北「ほんとかよ?あんなに班長やりたいって言ってたのに?松井おもしれ〜!」
楽しそうにニカッと笑う北山くんの顔を見ていたら
係はなんでもいいかな、
と思えた。
続
written by ハチ
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