ある日の昼休み

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小学6年生の時、私と当時付き合っていた彼氏は、一緒に図書委員会に所属していました。
お昼休みの30分間、図書室のカウンターに立って、本の貸し借りをコンピューターに通すことが主な仕事です。
図書当番はその名の通り、当番制でした。
普通はペアで当番するのですが、私はあみだくじの結果、一年中1人で当番でした。
彼氏と一緒にしたかったという気持ちと、1人は寂しいという気持ちで図書当番をする日々でした。


そんなある日の昼休み。
その日は私が図書当番だったので、急いで給食を食べ終えて、図書室を開けに行きました。
私はコンピューターに電源を入れ、カウンターの中にある椅子に座って本を読んでいました。

すると誰かがカウンターの中に入ってきて、私の隣の椅子に座ってきたのです。
それは彼氏でした。
「えっ!?な、なんで!?」
 彼氏は運動が大好きなので、休み時間は運動場でサッカーをしたり、野球をしたり、とにかく図書室で過ごすことはありませんでした。
「先週の図書当番でさ、俺すっぽかしちゃって。先生にバレたら、この日はいつも〇〇1人だから、手伝ってあげてって言われたんだ」

 彼はそう言って少し照れくさそうに笑いました。
私もつられて笑顔になると、彼は顔を赤くして、そっぽ向いてしまいました。
 そのあとは、図書室では静かにしないといけないので、会話をすることはありませんでした。

 でも、耳まで真っ赤にして隣に座る彼と、ずっとこんな時間が続けばいいのに、と思った幸せな思い出です。

written by あめ

エピソード投稿者

あめ

女性 投稿エピ 12