秀才君は腹ペコ~クリスマス編~

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「クリスマス、家に来ない?」

事の発端は蛍くんの一言だった。
夏菜は正直浮かれまくっていた。

「やっぱりケーキはワンホールだよね~…」
「家族の人にも…って考えるなら、ちょうどいいんじゃない?」

クリスマス前日、夏菜は家庭科室で友達と2人でケーキ作りをしていた。

クリスマスの日、夏菜は蛍くんの家でクリスマスパーティーをすることになったのである。
誘われた日、夏菜は即座に了承した。

「ううん、蛍くんのご両親は仕事でいないんだって」
「え…夏菜、それって二人っきり!?」

「そうだけど…?」

友達の言葉にあっけらかんとした態度で返す夏菜

「彼氏とクリスマスに二人っきりって…それってつまり…」
「…?…!!??」

こそこそと耳打ちしてきた友人の言葉に首をかしげる夏菜
その意味を理解した瞬間、顔が真っ赤になってしまった。
(ちょっと桃色なことを囁くイメージです。)

「そういえば蛍くん、ちょっと困っていたような…でもまさか…えぇ~!!?」

その日の夜
無事蛍くんの家に持っていくスイーツは完成したが、友人の言葉が忘れられず夏菜は悶々としていた。

「蛍くんに限ってそんなこと…いや、でも……」
「ダメだ…何だか頭痛くなってきた…」


クリスマス当日
蛍くんが夏菜が来るのを待っていると、夏菜からメッセージが
熱が出てうつしてしまうかもしれないので、今日は会えないという旨が書かれていた。

「…大丈夫かな」



「蛍くん、怒ってるよね…」

せっかく誘ってくれたのに悪いことをしてしまった。
ベッドに潜り込みながら目に涙をためる夏菜。

そのまま夏菜は眠ってしまったが、しばらくして目を覚まし身体を起こすと
何と部屋には蛍くんが。

「…け、蛍くん…!?」
「おはよう、熱は大丈夫?」

どうやら母親が部屋に案内したらしい…。
熱は寝ている間にある程度下がったらしく、気怠さもさほど残っていなかった。

「誘ってくれたのにドタキャンしてごめんね…!」
「あの…その…楽しみにしてたんだけど…」

「それは…分かってる」

夏菜の部屋に大量に作られたお菓子を見て、驚いた蛍くん。

「と言うか…全部、寝言に出てた」
「えっ…寝言…寝言言ってたの!?」

耐えられないとばかりに肩を震わせながら笑う蛍くんと
対照的に熱は下がったのに、真っ赤になる夏菜。

「蛍くん…だめだよ!まだ私たち高校生なのに…!」

何て言っていたか蛍くんは説明してくれた。
完全に熱が出た理由がバレてしまっているようだ。

笑いながらも夏菜の頭をポンポンと撫でる蛍くん

「考えすぎ…心配しなくても、芹沢の嫌がることはしないよ」
「それと、どうしても今日渡したくて…これ」

夏菜に手渡したのは綺麗にラッピングされた、クリスマスプレゼント
それを開けた夏菜は嬉しさのあまり、蛍くんにベッドから飛び出し抱きついてしまった

「蛍くん、ありがとう…大好き!!!」

先ほどの夏菜に負けないくらい真っ赤になった蛍くん。
予定とは違っちゃったけど、幸せなクリスマスを過ごした二人でした。

メリークリスマス!!

written by 恋エピ公式

エピソード投稿者

恋エピ公式

秘密 投稿エピ 736

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