私の彼氏はとっても可愛いパティシエさんです。
女子力がものすごく高くて、料理だけではなくて裁縫、掃除が得意。
やっぱりと言うべきか、料理の腕前が尋常じゃない。
私が食べたいと思ったものはなんでも作ってくれるし、中でもお菓子はダントツに美味しい。
クッキー、シュークリーム、フォンダンショコラ、マカロン、フルーツタルト…作れないものはないのでは?と言うくらい、たくさんのお菓子を作ってくれる。
正直、甘やかされ過ぎてるなー…って思ってます。
年下みたいに幼く可愛い見た目なのに、年齢はしっかり年上の優しい自慢の彼氏です。
そんな彼とのお付き合いも今年の10月31日…ハロウィンの日に5年を迎える。
最近お店が忙しいみたいで、なかなか会えていなかったんだけど…
去年も一昨年もその前の年も…ずっと2人で彼の作ったお菓子を囲んでパーティをしたし、今年もその予定です。
今はその準備が終わったところ。
彼のお部屋にはお菓子の甘い匂いが広がっている。
ハロウィン仕様に飾り付けもしたし、お互い仮装もバッチリ。
彼は相変わらず可愛いなぁ…。
そして、私たちの毎年恒例の行事、それは…。
「トリックオアトリート!」
お菓子を食べて、少し落ち着いた頃
私はいつも彼にハロウィンならではの言葉を言います。
作ってくれたお菓子とは別にいつもプレゼントを用意してくれてるのです。
もちろん私も用意します、いわゆるプレゼント交換です。
でも、今日の彼は何だか落ち着かない様子…表面上は取り繕ってるけど、視線が落ち着かないと言うか…。
「ちょっと、目を閉じて?」
言われた通りに目を閉じてはカサカサと何かを開ける音と左手に感じる暖かな彼の手の感触。
「いいよ。」
そっと目を開けると、左手の薬指には少しだけ歪な薔薇のモチーフがついた指輪。
普通の指輪とは違うつやつやと輝きを放っている。
「飴細工の指輪…。特別なものをあげたくて…ちゃんとしたの、また今度買いに行こうね。」
「ううん、これがいい。」
これが指す意味がわからないほど子供ではない私は、あまりの感動に声が震えながらも即答すると彼はソファに座る私の前に跪いて優しく微笑んだ。
「僕と、結婚してくれますか?」
「っ…もちろん…!!」
来年も…そのまた次の年も、何度だって言いたい。
「トリックオアトリート。」
written by 恋エピ公式
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