私は高校野球が大好きで、地方大会などはよく1人で観戦しに行っていました。
中でも好きな学校があり、その学校の試合は特によく観戦していました。
夏の大会、応援しているその学校の試合。大差をつけられてコールド負け直前。
周りも諦めムードの中、スタンドから応援していた後輩の野球部の子たちの中に、決して諦めずずっと最前列で応援し続けている子がいました。
結局その試合は負けてしまいましたが、1番大きな声で最後まで応援していたその子はすぐに切り替え退場の片付けを始めました。
来年の自分たちの代を見据える力強い瞳が印象的でした。
今思えば、もうこの時から彼のことが好きだったんだと思います。
秋の新人大会に出場した彼。スコアボードに映し出された苗字で初めて名前を知りました。
彼のポジションはセンター。ホームランだと分かりきったボールもフェンスぎりぎりまで追いかけ、ネクスト・バッターズ・サークルでは誰よりも全力で素振りをしていました。
その彼とひょんなことからTwitterで連絡を取り合うようになり、LINEも交換しました。
約束はしていなかったのですが、「また来週ね」と彼が切ってくれるので毎週日曜日に寝落ち通話をするようになりました。
春の大会を観戦しに行った時も、「いつも応援してくれてありがとう。」と素直に伝えてくれる彼。
最後の夏に向けて追い込みの時期も、練習で辛いはずなのにそれでも電話を続けてくれていました。
そんなある日曜日、急に真剣な声で私の名前を呼んできたので、「どうしたの?」と聞き返すと、
「こんなに応援してくれてる人がいるのは本当に幸せなことだなって思う。死ぬほど練習頑張って、絶対甲子園に行く。
そしたら甲子園ボーイの彼女になってくれませんか。」と言ってくれました。
その後、彼は本当に甲子園へ連れて行ってくれました。1年越しの恋が叶った瞬間です。
written by 恋エピ公式
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