高校入学して3日目、部活のオリエンテーションがありました。
わたしは元々中学でソフトテニス部に所属していたので、そのオリエンテーションでもソフトテニス部が発表された時、気になってずっと発表に集中していました。
元々わたしの高校では、部活動があまり盛んではなくてどの部活でも部員が少ないことをそこで初めて知りました。
そのソフトテニス部でも、なんと女子部員が一人もおらず、男子部員5人で練習していることもそこで聞きました。
「すごいなあ」とふと男子部員の方に目をやると、一人、とてもかっこいい先輩がいたんです。
そこでわたしは初めて『一目惚れ』の経験をしました。
その後の部活動体験でも毎日ソフトテニス部に通いましたし、校舎で先輩とすれ違うと少しでも気に入ってもらえるように挨拶もしました。
いよいよ自分の部活動を決める日、周りの子達はなんの部活にも入らないようで、わたしも頭を悩ませていました。
ソフトテニスをまだ続けたい気持ちももちろんありましたし、先輩を追いかけたい気持ちもありました(笑)
でもソフトテニス部は女子部員が一人もおらず、わたしが入ってもちゃんとした練習が出来るかどうか····。
悩みに悩みました。
その結果、部活動体験で知り合った女の子を一人誘って入部することを決めました!
部活動の顧問が一人しか居ないのと、女子部員二人で練習をすることが難しいということで、先輩たちと一緒に練習をする日々が始まりました。
女性である顧問の先生が現役時代、全国でもトップクラスの選手だったということで、それはもうハードな練習でした。
男子と部活動をするということは、体力的にも精神的にもかなりきつかったです。
そのきつい練習に耐えられない部員がどんどん辞めていき、とうとうもう一人の女子部員も辞めていきました。
ソフトテニス部に女子一人になってから、周りの部員や先輩たちはみんなとても気を使って優しくしてくれていましたが、一目惚れした先輩はとてもクールで冷たい印象があり、近づくどころか挨拶以外話したことすらありませんでした。
その状況がずっと続いて諦めようか悩んでいるとき、当時仲良くしていた同じ部活で同じクラスの隣の席の男子に告白をされました。
彼はなかなかかっこよくて頭も良く、テニス部でも努力家で毎日真面目に練習に出ている人でした。
「先輩を忘れるいいきっかけになるかも」と思い、付き合うことにしました。
彼は優しくてわたしのことを大事にしてくれていましたが、わたしより部活を優先する人でした。
元々恋愛禁止の部活でしたし練習が多すぎて休みの日もなく、デートもろくに出来ませんでした。
家に帰ったら疲れて寝てしまうし、LINEや電話も全くできない····。
寂しかったわたしは彼に直接寂しいことを伝えると、伝え方が悪かったのかいつも面倒くさがられてしまいました。
「仕方ない」と思って我慢をしていても、やっぱり疲れているからこそ彼と一緒にいたかったし、どんどんわたしは本当に「めんどくさい女」になってしまいました。
その結果8ヶ月付き合った末振られ、それでもわたしはソフトテニス部を続けました。
2年生になり、夏。
先輩たちがそろそろ引退というときに、わたしは先輩への思いを募らせていました。
「切り替えが早い」と思われそうで周りには相談できず、一人で告白しようかどうか悩んでいました。
元カレに少なからず未練が残っていて、少しヤケになってしまったわたしは放課後誰もいない廊下で先輩に告白をしました。
いつも冷たい態度を取られていて正直嫌われてると思っていたので、ほとんど玉砕覚悟でしたが、なんと返事は「OK」!!!
飛び跳ねたくなる気持ちでした。
それから彼とのお付き合いは続き、ある日告白をした時にOKをしてくれた理由を聞きました。
すると実は彼、一年間もわたしに片想いをしてくれていたんです!
元カレと付き合っていた事を知っていた彼は、わたしのことを諦めようとしていたところだったんです。
もう少し早く彼と付き合えていれば....。
そう思いましたが、元カレと付き合っていた期間があったからこそ、人と付き合うこと、人を好きになることがどれだけ大変で素敵なことか学ぶことも出来ました。
冷たく無愛想だと思っていた彼はすごく優しくてほんとにわたしを好きでいてくれていて、今でも仲良く付き合っています。
written by 恋エピ公式
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