私達の最後の会話

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中学二年生の頃、結構騒いで遊んでいたタイプの私と
正反対のいつも1人でいるような男の子。
一年生も二年生もクラスが違ったから関わることが無くて、話したことすら無かったのに
なぜか、ふと、その子が気になった。
仲良くなりたいと思った。

廊下側の席だった彼。
廊下と教室の間の窓をコンコンと叩いて『おはよう』と挨拶してみた。
何日か繰り返した後、メアドを聞いて毎日メールをするようになった。
人見知りなのか、メールでは話せて学校で会話は出来ない感じで、、
すぐには心を開いてもらえなかったけど、
徐々に学校で話すことも多くなった。

彼が漫画のワンピースが好きで、影響されて私も好きになった。
月曜日はワンピースの話でもちきりで、、
洋画が好き同士で、オススメのDVDを貸してくれたり、譲ってもらうこともあったり、、どんどん仲良くなっていった。

同じ高校に進み、一年生ではまたクラスが違った。
休み時間には教室まで来てくれたり、
授業開始時間のギリギリまで廊下でお話ししたり、、
サッカー部だった彼が、試合に行く前に外から『いってきます!』と言って手を振ってくれたり、、

文化祭の準備で各クラス自由に準備してる時
私のクラスに来ては混ざってお話ししてたり、

この頃には周りからも『付き合ってるの?』と
言われるほどずっと一緒にいた。
すごく毎日が楽しかった。

ある日男友達から、
『彼が好きだって、付き合ってほしいって言ってたよ。』と伝えられた。
【友達】としか思ってなかった私。
急に彼を意識するようになった。

意識しすぎて話せなくなった。メールも出来なくなって、、
全く話さなくなってしまった。挨拶すらも、、、

二年生、三年生では同じクラスだった。
席が前後や隣になる事もあったが、話すことはなかった。

卒業式の日。
式も終わり、帰る頃、
友達や後輩と写真を撮っていた時、
後ろから肩をポンポンと叩かれた。
振り向くと彼がいた。
深く頭を下げて大きな声で『ありがとうございました!!!』と言った後走って下駄箱に行ってしまった。
下駄箱の上は吹き抜けになっていて二階からも見える状態なので私は急いでそこに向かった。

まだ彼がいたので私も大きな声でお礼を言った。目一杯の笑顔で手を振った。

それが私達の最後の会話
今は連絡先も知らない、本当に他人になってしまいました。
もしあの告白をされた時ちゃんと向き合っていれば、と5年経った今も思います。
友達以上恋人未満のすごく甘酸っぱい青春の1ページです。

written by 恋エピ公式

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恋エピ公式

秘密 投稿エピ 736

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