ホワイトデーのプレゼント

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彼は普段からサプライズをめったにしない人です。私もそこに固執していないし、照れ屋でサプライズされるのは苦手だったのでお互いうまくいっていました。

同棲して初めてのバレンタインはチョコが苦手な彼にと簡単なティラミスを作りましたが、特に褒められることもありませんでした。
この頃、お互い仕事が忙しく私が体調を崩したり、彼に不幸事が続いたりということがあり、私は気が滅入っていました。

同じ年のホワイトデーに仕事から帰ってきた彼は、「ホワイトデーだからケーキ買ってきた」とケーキをくれました。お返しで買ってきてくれたんだ…。でもその日はお腹いっぱいだったから明日食べようとしていたら、「なんで食べないの?オレ食べるから出して」と無理やり食べさせようとします。
それならと食べる用意をしたのに一向に食べようとせず、無言でテレビを見る彼。私は疲れていたので先に食べて寝ようとすると、呼び止められました。

「いや、そのホワイトデーなんだけど…」急に正座して、もぞもぞと話出す彼。
「今日で付き合って2年半で…」
「オレこんなだし何にもできないし、おまえがいないと困るし…」
「こんなオレでよかったら」

数分の沈黙の中…私はなんとなく察しがつき笑いがこみ上げてきました。
そこは一生懸命な彼に失礼なので、我慢して。
「こんなオレで?なに?」と聞くと、「結婚してくだい!」「もちろん!」
「返事早っ!」「途中で気づいたよ」「オレの一生懸命な時間かえせよっ」
断られたら不安だったそうです。「それだったら一緒にいないよ」と返すと彼は珍しく耳まで真っ赤にして照れていました。

ホワイトデーのサプライズはケーキではなく、プロポーズでした。そんな彼も今では良き夫です。

written by 恋エピ公式

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秘密 投稿エピ 736

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