社員食堂の先輩の厳しかった思い出

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中途採用で社員としてとある食堂に就職した時の話です。

産休に入る栄養士さんの代わりに入ったのですが…ほとんど仕事を教えてもらえずに引き継ぎをすることに。
現場経験もなく手探りで仕事をする中、社員である調理師さんたちに怒られながらも仕事をしてました。

現場の調理師さんの中で一番年が近い調理師さんがよく面倒を見てくれ、最初は怒ってばかりで怖い人でしたが…
徐々に仕事を覚えていくうちに色々と面倒を見てくれるように。
私が入る前には栄養士さんと鍋やお皿を投げ合って喧嘩したり、パートさんへの当たりが強くて現場でも浮いてる人だったと聞きました。
私が入ってからは面倒見よく仕事を教えてくれたり助けてくれたり。

パートさんが帰ったあとはコーヒーを買ってこいと200円を渡され、100円は好きなのを買いなとジュースを奢ってくれていました。
また私はチロルチョコが好きで差し入れしたら、後日パチンコで引き換えたとチロルチョコをくれたりしました。

ある日、職場の社員食堂との契約更新で私達の会社が契約されないかもしれないと言う事態に。
色々手を尽くしましたが…結局、食堂メンバーは解散する事に。
皆それぞれ社内の別の場所に異動や離職などになりました。

最後の日、みんなでお別れ会をしました。
例の社員さんは離れた席で話すこともなく会も終わりに近付いた時…
トイレに立った時に例の社員さんの後ろを通った時にお店の柵越しに手が伸びてきました。

彼は酔いが回っていたのでふざけているのかと思って「別れるのが寂しいんですか?」と聞きました。
すると「寂しいよ」と。
いつもは冗談を言うような人だったのでその時手を握り返すのが精一杯でした。

その後何事もなかったように分かれて、今はそれぞれの現場で働いています。
私も同じ会社にまだ在籍していますが派遣場所がお互いに違うので会うことはありません。
もう一度会うことがあれば話がしたいなと思っています。

written by 恋エピ公式

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秘密 投稿エピ 736

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