私が小学校1年生のとき、同じクラスになった男の子を好きになりました。
彼は人柄も良く優しかったので男女ともに好かれている人でした。
もちろん彼を好きな女の子はたくさんいました。彼はサッカークラブに所属しており、私の兄と同じサッカークラブであったこともあって放課後や週末も会う機会が多かったこともあり他の女の子よりは仲が良かったです。
しかし、私が小学3年生のとき衝撃なことがおこりました。
彼はお父さんの仕事の都合で北海道に転校することになったのです。
お互いの母親同士も仲が良かったこともあって、クラスのみんなより早く話が私にも伝わりました。
当時の私は声が出ないくらいショックを受けました。
クラスのみんなも転向のことを知ると、みんな彼との思い出を作ろうと彼の周りにはたくさん人がいました。
彼が転校するのに何もできないことが嫌で自分の気持ちを伝えようとしたのですが、彼の周りの人の気持ちに彼は笑いながらも悲しそうにしているのをわかっていたので言えませんでした。
転校前最期の日、クラス全員の前で彼はクラスのみんなに鉛筆とメッセージが書いた小さな包みをくれました。最初は男の子全員に名前を呼んで渡しました。
次に女の子の順番がきたとき、私の名前が最初に呼ばれました。
貰うときに彼から小さな声で
「いつも本当にありがとう」
と言われ泣きそうだった私は何も答えられないで頷いただけでした。
私はオレンジの鉛筆を彼からもらいました。
最後まで何も言えず彼は転校してしまいました。彼が転校した後クラスのみんなは彼から貰った鉛筆を使い始めました。
私は使ったら使った分だけ彼との思い出がなくなるようで、それが嫌で中々使えなかったのですが、彼だったら使われないのはかわいそうだと言うだろうと思って使い始めました。
その時に友達から、私の鉛筆はオレンジなんだねって言われました。みんなオレンジだと思っていたのですが、ほかの女の子はみんな黄色でした。
男の子はみんな同じ青の鉛筆でした。もしかしたら彼は私の気持ちに気付いてくれてて私の性格も理解してたのかもしれません。彼も私と同じように特別に思ってくれてたらいいなと思う、そんな初恋でした。
written by 恋エピ公式
Sponsored Link
旧サイト運用中に公開した作品と、ご投稿いただいたエピソードを掲載しています。