忘れられない日

コンテンツ名とURLをコピーする

私は高校一年生の頃から、高校二年生までずっと好きだった人がいました。

彼とは部活が同じで仲が良く毎日電話をして、帰るときも2人で帰っていました。
少し雨が降っていたある日、掃除の時間に私は
彼と、彼と仲の良い女子が2人で話しているのを見て、彼女でもないのに嫉妬してしまいました。

彼が部活などでも話しかけても、気持ちが収まらず無視したりきつく当たったりしてしまいました。
帰り道を1人で歩いて帰っていると、後ろから自転車に乗って彼が追いかけてきました。

私に並ぶように横に来て、私の歩く速度に合わせて自転車を漕いでいました。
私の様子を伺いながらも、何度か話しかけてこようとしていた彼に私は、その都度さしていた傘で、顔を見えないようにしていました。(このとき私はなぜか面白くなってちょっと笑ってました)
すると私の後ろの方に彼が行くのが見えました。

「あ、しょげたかな?」と思って傘を上げると、彼の視界に少し笑っている私の顔が見えたようで

「あー良かったー。」と号泣までは言いませんが私の反対側に向いて泣き始めました。

私は思ってもいなかった反応に
「え、どしたんどしたん!」とうろたえていていると、彼は泣きながら
「なんで俺泣きゆうがやろう、俺こんなキャラじゃないのに」と何回も言っていました。

けどそのあと泣きながら
「今日のりな、怖かった。」と言われ私は
(私が怒ってたからかか…)と思いながら

「ごめんね?もう怒ってないで」と彼の頭を撫でながら謝りました。

彼はその後も何回も「本当に怒ってない?」と涙をぬぐいながら聞いてきたので
「もう怒ってないで、ほんまごめん」と言って伝えました。すると
「思い出しただけで泣きそうやもん」と言ってきたので「泣かれると困る」と苦笑いで言いました。

暫く歩いていると彼が、「家の鍵がカバンにあるか探したい。」と言って屋根がある場所に行き、リュックの中を探してみると、ないと言いました。
私は「親はいないの?」と聞くと「21時半くらいに帰ってくる」と言っていたので、それまで一緒に待ってあげることにしました。
その頃には雨も止んでいたので、駅の近くの駐車場に向かいました。
地面が濡れていましたが、まあいいかと2人で座りました。すると彼が

「なんで怒っちょった?」と顔を見ずに聞いてきました。

「なんでやろね」と返すと、彼は「俺掃除の時になんかした?それとも部活?」と聞いてきたので
「掃除の時」と返すと、彼は「掃除の時って言ったら、島[男]と遊びよったろ、掃除さぼりよったろ、あとはー、、あ、高[女]と話しよったしか、わからん」と言ってきたので
「その中のどれか」と言うと彼が
「んー、、、わからん。なら今日掃除の時間しよった事全部せんようにする。」といい始めたので私は
それを(ちょっと可愛い、、)と思いながらも
「えぇー、、、せんのはやめて?掃除さぼるのはやめていいけど、、」と苦笑いで言うと

彼はこっちを見ながら
「なら教えて?島と遊びよったこと?」と言ってきたので私は下を向きつつ「違う」と言うと彼は
「なら掃除さぼりよったこと?」「違う」「高と話しよったこと?」と順番に聞かれていき、私が最後に黙り込むと
彼が「そうなが?」と確認する様に聞いてきました。

私は彼とは逆に向いて「うん」とだけ小さく返事をしました。
彼はそんな私に「ごめんよ」と謝罪の言葉を述べました。

その言葉に私は
(彼が話したぐらいで嫉妬した私がだめやのに)と彼に申し訳なく思い、「こっちこそ、ごめん。」とするりと謝罪の事葉を返しました。

彼は「もう怒らんといてよ」と言ってきたので「わかった」と、返事を返すと彼は
「ほんとにで?りな、怒ったら怖いき」と言いながら、座ったまま横にいた私に抱きついてきました。

私は驚きつつも「うん」と返事をして、抱きつき返しました。
少しして彼から腕を解いてきましたが、なぜかまたすぐに抱きついてきました。(それを2回くらい繰り返してました。)
私はとってもドキドキしました。その後もう21時半になるのでお互いに帰ることにしました。

2人とも立ち上がったとき彼が私を再び抱き締めて来ました。
私も抱き締め返すと、少しして身体を解放されました。
驚きましたが、それ以上にとても幸せでした。

彼が自転車にまたがりリュックの中を探っていると

「あ、鍵あったわ」と少し笑いながら彼が言ったので
「あったんかい」と私もつっこみながら笑ってしまいました。

その後2人で駅まで向かい、お互い自宅に帰りました。
家に帰ると彼から電話があり
「絶対今日の事、誰にも言わんといてよ」と釘を刺され
たわいもない会話をしその日は終わりました。

その後は段々と電話する回数も減り、恋人関係に発展することもなく
暫くして彼には彼女ができました。
ずっと好きだったので悲しかったですが、それ以上に私は彼に、幸せになってくれればいいなと思いました。

今でも大切な思い出です。

※彼は部活の時から夜の電話までずっと声が元気がなく、しゅんとした顔でずっといました。いつもは笑顔でけどそんなすぐ泣くような人の感じはなく、みんなとバカなことばかりしていて面白くて少しかまちょな彼だったのでとても可愛いなと思いました。

written by 恋エピ公式

エピソード投稿者

恋エピ公式

秘密 投稿エピ 736

旧サイト運用中に公開した作品と、ご投稿いただいたエピソードを掲載しています。