思い出の詰まったボックス席

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元になったエピソード

私がまだ高校生だった頃に付き合っていた彼氏との思い出です。
私と彼はかなり田舎に住んでいました。高校が別ですが、家の最寄りの駅がお互いの高校のある場所でした。

ある日、彼が私の高校の前で待っていてくれました。そして、一度私の家の最寄駅まで一緒に電車で戻ってくれたのです。
田舎の電車なので全部がボックス席で、1ボックスに2人で座りました。乗車客も少なくポツポツといる程度です。

乗車時間はたったの10分。
かなり短い時間ですが一緒に入れる事が嬉しくて仕方ありませんでした。
あっという間に最寄駅に近付いてしまい、まだ一緒にいたいな、、、と段々と寂しく思っていました。

そんな時、ふとした瞬間に彼がキスをしてきました。
公共の場だったのでとても恥ずかしかったですが、恥ずかしくも嬉しく、帰るのが更に辛くなりました。

そんな彼とは高校を卒業する時にお別れしましたが、大学生になり上京し、地元へ帰る際、偶然にも同じ時間の同じ電車、同じ車両の中に彼はいました。

その時は話しかけはしませんでしたが、彼とは電車で沢山の思い出があったなあと、大人になった今感じています。

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written by 向日葵