そんなに近づかれたら赤面しちゃうよ

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元になったエピソード

中学1年生の時、私には好きな人がいました。
男女誰とでも仲良くておふざけもするけど基本は真面目で、運動神経がよくてカッコよくて、でも話すきっかけなんてなくていつもひっそり見ているだけでした。
そんな彼の近くにいれるのは、理科や図画工作の授業で教室を移動した時だけでした。
名前の順で、向かい合わせに座っていくと、私と彼は背中合わせになるのです。
背中から同じ机の女子と楽しそうに笑ってる声が聞こえるのは胸が痛かったですが、いつもは遠くで聞いていた声が近くで聞こえるのは、自分でも驚くほどドキドキしました。

ある日、図画工作の授業で私はノコギリで木が全然切れず、困っていました。同じ机の人たちとは話したことないし、友達は遠くの席で仲良くやってるし、先生は自分で頑張れと、終わる気がせずまた居残りかなと思っていました。
すると突然後ろから「貸してみ」と声と同時に手からノコギリが消え、先生から見えない角度で彼が私の木をあっという間に切ってくれました。
ドキドキしながら、なんとか絞り出した「ありがとう」を言うと、「ノコギリの角度が〜」と私の手を握って後ろから一緒に他の木も切り方を教えてくれました。
突然の出来事にパニックの私は、小さい声でありがとうと言うしかできず。
顔も真っ赤だったでしょうから、きっと彼も何かを察したのか、「うん、頑張れ」とまた私に背中を向けて席につきました。

私の反応はかなり分かりやすかったらしく、その一部始終を見ていたクラスメイトによって、あっという間に『私は彼が好き』と言うことが広まりました。
何度もネタにされ、いじられ、修学旅行では告白させようともされました。
もちろん呼び出しに彼は来ず、あの一件以来話すことも顔を合わせることもなくなってしまいました。
彼も恥ずかしかったでしょうし、巻き込んでしまって申し訳なかったなと思いますが、今でもあの時は凄くドキドキしたなぁと思い出してしまいます。笑

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written by ちろる

マンガ作者

根岸ねぎ

女性 投稿マンガ数 2

幼い頃から漫画が大好きで読んだり描いたりしていました。 皆さんをきゅんきゅんさせるような漫画を描きたいです 今はアイコンを中心にイラストレーターをしてます

エピソード投稿者

ちろる

女性 投稿エピ 5

恋多き乙女だったなぁ