(僕、義之の愛妻、里奈の少女時代の妻目線での語りになります)
(名前は全て仮名です)
私は宮田里奈、小5です。
とある週末、お母さんと4歳下の妹の由紀と3人で高校サッカーの試合を地元の小さなスタジアムへ観に行きました。
里奈「お母さん、楽しみだね♪」
お母さん「そうね~、○○高校(地元の高校)勝つといいね(^^)」
まだ3歳の妹、由紀はよくわかってないみたいだけどw、楽しそうにはしゃいでる♪
試合開始の時間になり両校の選手が入場、そしていよいよキックオフ!
互角で白熱の試合に、場内はすごい活気☆
そんななか、私は…。
(○○高校のキャプテンのお兄さん、カッコいい…♡)
ずっと○○高校のキャプテンを勤めるお兄さんに、くぎ付けになってた…。
そんな時、○○高校のゴールキーパーが前に出たところを相手フォワード選手がドリブルでかわし、無人のゴールへシュート。
先制点を取られたと思った、その時…!
全速力で後ろから走って来たキャプテンのお兄さんが、ゴールラインギリギリでクリア!!
でも勢い余ってゴールポストに激突してしまう…。
「集中切らすなっ!コーナキックに備えろ!!」
痛そうな素振りも見せずに、仲間にゲキを飛ばすお兄さん。
(すごい、カッコいいな…)
お母さん「前半からすごい試合ね☆」
里奈「うんっ!○○高校のキャプテンのお兄さん、カッコいいし♡」
お母さん「里奈、さっきからそればっかりwもしかしたら、お兄さん恋しちゃったかな~♡」
里奈(頬を赤く染めて)「えっ…⁉」
ハーフタイム、お母さんの言葉に私は恥ずかしくなっちゃった…(^^;
でも…。
(なんかすごいドキドキする…。もしかして、これが”恋”って言うのかな…)
後半戦が始まり、○○高校はいきなり先制点を取られちゃった(>.<)
でもその後、キャプテンのお兄さんの、右サイドからのクロスボールをフォワードの選手がヘディングシュートで決めて同点っ!
白熱の試合は同点のままアディショナルタイムへ。
「PK戦かな」と思った、その時。
キャプテンのお兄さんが渾身のロングシュート!
低い弾道のシュートが、ゴール左スミに突き刺さった…!!
「よっしゃぁーー!!」
ゴールを決めたお兄さんは絶叫して、チームメイトと喜びを分かち合ってる♪
そして数秒後に試合終了のホイッスル。
キャプテンのお兄さんの逆転シュートで劇的な幕切れになって、場内はすごい盛り上がりに☆
私も立ち上がって、喜びを爆発させてました…!
(お兄さん、本当にカッコいい…♡)
スタジアムを出た後、試合を終えた○○高校サッカー部の人たちの姿が。
その先頭に、キャプテンのお兄さんの姿…♡
隣には、ショートボブのきれいなお姉さんがいる。
お母さん「里奈、お兄さんに声かけてみる?」
里奈「えっ⁉恥ずかしい…」
本当はお兄さんに声をかけたいけど、恥ずかしがり屋な私は気後れしちゃう…。
お母さん「しょうがないな〜w」
「すみません、娘たちと一緒に試合観てましたよ☆逆転勝ちおめでとうございます(^^)」
お兄さん「そうなんですね。ありがとうございます!」
お母さん「それで、上の娘がお兄さんに夢中で、ずっとくぎ付けになって応援してましたよ♪」
お兄さん「そ、そうなんですね」
「応援してくれてたんだ。ありがとう(^^)」
里奈「あっ、はい…。お、おめでとうございます」
お兄さんは穏やかな笑顔を浮かべ、私の頭を優しくぽんぽんしてくれた…。
恥ずかしさと嬉しさが入り混じる私。
こんな感情は生まれてはじめて…。
(どうしよう、ドキドキが止まらない…)
お兄さん「応援してくれて、本当にありがとう。それじゃあね(^^)」
里奈「あっ…」
お兄さんは先に行ったチームメイトを追いかけるように、ショートボブのお姉さんと一緒に歩き始めた。
「…」
(このまま別れたら、絶対後悔する…!)
里奈「お兄さん…!」
お兄さん「ん?」
私の呼び止めに足を止めて振り返るお兄さん。
(勇気出さなきゃ。頑張れ、私…!)
里奈「お兄さん、その…。今日すごくカッコよかったです☆その、これ…!」
私は小さなリボンがついた5円玉をお兄さんに差し出した。
お兄さん「これ、俺にくれるの?」
里奈「はい」
「私は里奈。その、え〜っと…」
「大きくなったら、お兄さんのお嫁さんになりたいです…!」
言っちゃった…。
恥ずかしいよ~(>.<)
「ははっ、ありがとう(^^)」
お兄さんはもう1回、私の頭を優しくぽんぽんしてくれた。
恥ずかしいけど、嬉しい…♡
ショートボブのお姉さん「よかったじゃない、こんな可愛い子にプロポーズされて♪」
お兄さん「ははっw」
ショートボブのお姉さん「私もあのお兄さんの事、カッコいいと思ってるから。気持ちわかるよ…(^^)」
お姉さんは優しい口調で、ささやくように私に話しかけてくれた。
とてもきれいで、優しいお姉さんだなぁ…。
その後、初恋のお兄さんと会うことはなかった。
そして私は大人になり、職場で出逢った男性に密かに憧れて、幸運にもその恋は実りお付き合い出来て、結婚しました。
思い出話しをしていたら、実は彼があの時の「初恋のお兄さん」だったことが判明して、驚きました。
こんな小説や映画の世界みたいな話し、実際にあるなんて…。
あっ、あの時に私がプレゼントした小さなリボンがついた5円玉、大事に持っていてくれました♡
ちなみにあの時、一緒にいたショートボブのきれいなお姉さんは当時の彼女で、高校を卒業後もお付き合いしていて結婚の約束もしていたけど、交通事故で帰らぬ人に…。
それは切ないけど、あのお姉さんの分まで、義之と末永く幸せに暮らしていきたいです☆
〜終わり〜
written by TAKI
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大好きな愛妻とのエピソード、あと学生時代の思い出話しも書いてます。