その日は、午後から雨が降る天気予報でした。放課後には雨が降り始めました。私はクラスマッチの準備を進めるために生徒会室にいました。私の学校の生徒会室には傘の貸し出しコーナーがあります。傘を借りに多くの生徒が生徒会室にやってきていました。
その日は彼氏と久しぶりに帰る約束をしていたのですが、雨のせいで髪がボサボサになって少し悲しい気持ちでいました。
下校時刻が近づき、部活を終えた彼氏が迎えに来てくれました。生徒会室に居た先輩達や同級生に冷やかされながら部屋を出ました。
雨はずっと強くなっていたので、貸し出しコーナーの傘はもう残っていませんでした。そして、私の傘も無くなっていました。きっと誰かが間違えて借りて帰ってしまったのだと思います。
彼はそれが私のお気に入りの傘だったのでとても心配してくれました。それから、一緒に傘に入れてくれました。
同じ塾に通っているので、そこまではずっと相合傘で彼がずっと傘をもってくれていました。
久しぶりだったのでとても楽しい時間でした。
塾に着くと彼の片方の肩がべしょ濡れで、私が濡れないように気を使ってくれていたことに気づきました。
塾の先生もそれに気づいてカッコイイじゃんと彼に言っていました。
私のお気に入りの傘は次の日、貸し出しコーナーに返されていました。私の素敵な思い出です。
written by 彩子
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