私はクラスで有名なイケメンくんに恋していました。
彼はスポーツ、勉強、なんでもできてクラスメイトからも先生からも一目置かれている存在でした。
それに対し私は地味子。
高校に入ってもしたの方で二本縛り。それにメガネと典型的な地味子でした。
その日は雨が降っていました。
結構な雨で、気分は最悪でした。
学校からの帰り道、いつものように帰っているとふと、
「ミャァー、ミャァー」
と鳴き声が聞こえました。
猫好きの私は気になり、声のする方に行くことにしました。
そこには、拾ってくださいと書かれた段ボールの中にいる小さな子猫がいました。
こんな風に捨てる人、本当にいるんだと思いましたが私の家はペット禁止でどうすることも出来ませんでした。
せめて、せめての思いで自分の傘を子猫が濡れないように被せてあげました。
「これでよし」
雨はどしゃ降りでしたが、子猫の方が大切だったので走って駅まで行くことにしました。
思ってた以上に雨は強く、少し走っただけで体全体がベトベトになってしまいました。
その時、
雨が落ちて来なくなりました。
え?と思い、後ろを向くと、そこには好きな人が私に傘をさしてくれていたのです。
「めっちゃ濡れてるけど…だいじょぶ?」
これが彼との初めての会話でした。
「は、はい」
初めての会話は過去一番胸が高鳴っていた気がします。
「さっき、猫の鳴き声聞こえてさ、行ってみたら傘かざしてあって」
「あれ、君のでしょ?」
どうして分かったのか驚きでいっぱいでした。
「なんで…」
「そりゃ、す、好きな子の傘くらいわかるよ…」
驚きで開いた口が塞がりませんでした。
「い、今なんて…」
「ほら、一緒に帰ろ」
彼との初めての会話は告白でした。
written by 戀
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