10年後の結末

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小学校5年生のクラス替えの時、私は初めてA君と一緒のクラスになりました。
5年生の時は、ほとんど関わりがなく、他の女子にしょっちゅう意地悪したり、よく先生に怒られていたり、私はいつも遠目であんな人とは関わりたくないなぁと思っていました。

小学校6年生に上がり、クラスもそのまま持ち上がりになりました。
私には、その当時別に好きな人がいました。放課後、親友と2人で遊んでいる時に、「好きな人、言い合おう!」という話の流れになりました。やり方は、紙に好きな人の名前を書いて、交換するというものでした。「嘘は絶対に無しね!」と約束して、お互い小さな紙切れに好きな人の名前を書き、交換しました。
交換した紙を開いてビックリ!なんと親友が好きなのはA君だったのです!内心、あんな意地悪なA君が嫌いだったので、かなり驚きを隠せませんでした。ですが、親友が好きになっちゃうぐらいだから、当時私はA君にも良いところがあるんだなぁと少し考えを改めたぐらいでした。
6年の夏頃、親友がA君に告白したいから、私がA君の家に電話をして、想いを伝えて欲しいと頼まれました。始めに電話をかけた時は不在だったので、「男の子の家に電話かけるの抵抗あるし…もういっか…」と思ったら、なんとA君から私の自宅に電話がかかってきました。親友の想いを伝えたら、「ごめん」との返答でした。ですが、何故かA君はそのまま電話を切ろうとせず、電話を嫌がる私になぜかたわいのない話をしてきたりと、当時の私からしたらちょっと鬱陶しいなぁと感じていました。
6年の秋、席替えがあり、私はA君の後ろの席になりました。その頃はA君から何度かちょっかいを出されていたので、やはりあまり好きではなく、彼に告白した親友も、A君はやめて別の人を好きになっていました。
その頃は音楽や家庭科の移動教室でも、席が近く、修学旅行の班も、くじで決めたものの偶然一緒になり、A君とよく話すようになりました。帰りも途中まで一緒なので、一緒に帰ることも時々ありました。
話してみると、話題が尽きず、ずっと話していられました。あまりに話が止まらないので、A君が「ねぇねぇ!聞いてや!」と声を掛けて近寄って来た時は、私が一方的にドキドキしてしまって、その場から逃げてしまったこともありました。
当時は、クラスの中でも、仲が良いと噂にもなっていました。
ある日、私と親友とA君で話してて、A君に「好きな人おるん?」という話になりました。A君にはクラスでも人気の女子に想いを寄せていることは知っていました。親友が「じゃあ、5人挙げるとしたら?」と聞いた時、なんとそこに私の名前が入っていました。そこから、親友が「じゃあ、4人だったら?」「3人だったら?」「2人だったら?」とどんどん絞っていき、そこでもまだ私の名前は残っていました。目の前で聞いていた私も本当にビックリでした。最後の1人は、さすがに想いを寄せている人の名前が挙がりましたが、相手がここまで意識しているとは、それに私の目の前で、私の名前を最後の2人までの時まで堂々と言えるのには、本当に意外で驚きが隠せませんでした。
私が彼を意識し始めたのは、この日からでした。


小学校を卒業し、中学校へ入学しました。
卒業までは特にA君とは発展することもなく、ただのクラスメイトとして仲良くしていました。
中学校へは、お互い受験したので、A君は男子校へ私は女子校へ進学しました。
学校への距離が全然違っていたので、私はかなり早い電車に乗っていくことになり、もう会うこともないかなと思っていたら、朝の通学電車が一緒でした。
私は同じ小学校の女子グループ、A君は男子グループでかたまっていたので、特に話することもありませんでした。思春期に入って、急に話しづらくなったのかなと思います。ただ、相手を目で追う日々でした。
季節は変わり、秋…
朝の通学電車は、6時半という早い時間だったので、一緒に通学していた友達はどんどん遅めの時間帯の電車に変わっていきました。男子グループも車両が変わり、人数も減り、特に顔を合わせることはなくなりました。
そして、冬…
私は学校が遠かったので、そのまま6時半の電車で通っていました。そして、A君も毎日その電車に乗っていました。私は4両目に乗っていたので、いつも4両目を通り過ぎて先頭車両に乗っていくA君を車内から見かけていました。
毎日横切るA君を探すようにしている自分、A君を見つけた時に「嬉しい」と思う自分に、これは「好き」という感情なのかなと徐々に気づきました。
それから2年後の中学3年生の冬。
6時半の電車には、地元組からは私とA君だけ。毎日A君の姿を見かけての通学はすっかり習慣となっていました。笑
その頃、私の中学校とA君の中学校との間でメル友というメールアドレスを紹介し合って、友達になるというのが流行っていました。
その噂を友達から聞きつけて、何とかA君のアドレスをゲットすることができました!
当時は緊張していて、初めてメールを送る時も本当にドキドキしていました。一度だけ会いましたが、当時私はかなりぽっちゃりしていたので、全く相手にされませんでした。
そして、A君はかなりの女好きになっていて、色んな女子に声をかけては遊んだりしていると分かり、私もかなり冷めてしまいました。笑 私の恋心は何だったんだろうとも思いました。
連絡も中学校卒業する頃まで続きましたが、私からも連絡しなくなり、自然と消滅しました。高校へ進学し、私も新しい恋や勉強に明け暮れ、A君とは何も接点なく3年間が終わりました。


大学に入学しました。
私は、勉強を必死に頑張り国立大学へ入学しました。高校3年間ですっかりぽっちゃり体型からおさらばし、普通の体型に戻りました。
大学2年の頃、SNSで、小学校の同窓会グループが出来ていました。そこに入ったら、何と5年ぶりぐらいにA君から直接メッセージが送られてきました。その時は、たわいのない会話のみで、あっという間にやり取りは終わってしまいました。
大学4年の秋、また突然A君からメッセージが届きました。そこからメッセージが長く続き、なんと小学校卒業ぶりに、年末にグループで会うことになりました。久しぶりに会って、A君はそっけない感じでしたが、他の友達も小学校卒業ぶりだったので、会話が大盛り上がりで、あっという間に時間が過ぎてしまいました。会はお開きとなり、それぞれ家へ帰る時、A君が全く逆方向(しかもかなり遠い)の私の親友を家まで送る、私も付いて来いと言い出し、車で来ていた友達に送ってもらうよう言っても「オレが送るから、お前もこい」と強引に言われ、親友を家まで一緒に送ることになりました。その時に、ようやく2人で話ができた時間かなと思ってます。小学校卒業してからの恋愛についてが多かったかな?空白の時間を埋めるかのようにお互い何をして過ごしたか、ずっと話していました。
そして、社会人になり、お盆休みにまた小学校のメンバーで集まることとなりました。皆都合が悪く、A君も参加できませんでした。集まったメンバーでお酒を飲みながら話していると、ある男子が「そう言えば、A君お前のこと好きだったよね笑」と言われました。
私はそんな事なかったよ!A君には当時好きな人いたし!と照れるのを誤魔化しましたが、やはり内心嬉しかったです。
小学校の頃気になっていた人と、10年後やっと想いが繋がったなと心が温かくなりました。

written by ふじ あや

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ふじ あや

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