私が中学3年生の頃、1つ下の仲のいい男の子がいました。家が近所で、小さい時から遊んでいて
周りからも「本当の姉弟みたいに仲良しだね」
と言われていました。
私の名前がモモなので、彼は私を「モモねぇ(姉)」
彼の苗字が水谷なので、私は彼を「みっくん」
と読んでいました。
学校の登下校は、お互いの時間が合えば一緒に行く感じでした。
ある日、みっくんが珍しく家の玄関で私を待っていたため「どうしたの?」と声をかけると
「今度の土曜日にバスケの試合あるんだけど…観に来ない?予定あるならいいけど…。」
と言ってきました。
いつも私が試合を観に行きたいと言うと嫌がられていたのに、みっくんから言ってきたので私は驚きと嬉しさで「いくいく!予定あっても行く!」
と即答しました。
そして試合当日。
バスを降り、体育館に到着してウロウロしていました。
すると、私の学校と同じジャージを着た2人の女の子が
「水谷くんと仲いい先輩ですよね?」
と、声をかけてくれて観客席まで案内してくれました。
「ありがとう」とお礼を言うと
「いえいえ!」と2人は階段を降りていきました。
その時、階段が音の響く場所だったせいもあり
「彼女でもないのに、彼女ずらするの止めて欲しいよね。(ふざけた感じで)私の水谷くんなのにー笑」
と、ハッキリ聴こえてしまいました。
「そっか…みっくんだって好きな人きっといるし、みっくんのこと好きな人もいるよね。ずっと一緒にいたら、恋愛を邪魔してしまうかも。」
と、色々考えたら落ち込んで、なぜか心がモヤモヤしていましたが、せっかく誘ってくれたからこの試合を目に焼き付けて、帰りは声をかけないで黙って帰ろう。
と、決めて試合を観ました。
初めてバスケをする姿を観た私は、ニコニコしている普段とのギャップに釘付けになりました。
「あんな真剣な顔するんだ。カッコいいな…観れてよかった!」
と思いながら、みっくんには声をかけずに、バスの時間まで暇だったので体育館の横にあった公園のベンチで座っていました。
その後、しばらくスマホをいじっていたら
「モモねぇ!!」と頭の上で聴こえたので驚いて
上を向いたら、みっくんが立っていました。
「なんで頑張ったねとか、かっこよかったとか、凄かったとか試合終わったあと言ってくれないんだよ。観客席探したんだよ。」
と、少し涙目で言ってきたため
「ごめんね」と謝り、自分がさっき考えていたことを話しました。すると
「そんなこと考えなくていいよ。俺が好きなのはモモねぇだから。」
と試合の時と同じ真剣な顔で言われました。
いきなりの言葉に、呆気にとられ
バスの時間もあったため、その場で返事ができませんでした。
家に帰宅後、体育館で
「みっくんの恋愛を邪魔してしまうかも」
と考えていたときに、心がモヤモヤした自分がいたのは
きっと私も、みっくんが好きだからだろうな。
と自分でも分かっていました。
しかし急に弟のような関係から、異性として見たとたんに、今のいい関係が崩れてしまうのではないかという思いもあり、みっくんには「いまの関係がすき。」
ときちんと伝えました。
「そっか、たしかによく考えたら、モモねぇが彼女とか気持ち悪いもんね~!」
と、みっくんもいつも通りのテンションで、その後もいつも通り接してくれました。
いまは20歳を超えて、お互い別々のところにいますが
帰省したときは毎回飲みに行っています笑
みっくんは私の大好きな弟です!笑
written by モモ
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