絵しりとり

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高校入学で初めて同じクラスになった彼(仮:冬真)。最初はクラスに馴染むので精一杯だった私は彼の事なんて気にも留めていなかった。

初めての席替えの日、私の前の席になった冬真はやたらと後ろを向いてくる。
私の後ろに冬真の友達が座っているからだ。
私は心の中で「前向いてよ〜後ろばっか振り向いてないでさぁ」と思っていた。
そんなある時、冬真が私の机に掛かっていた折りたたみ傘を見て話しかけてきた。

彼「え!それスターウォーズじゃん!好きなの?」
私「え、好きだけど」
彼「俺も好きなんだよ!シリーズの中でどれが1番好き?」
私「ジェダイの帰還かな。ルークカッコいいし」
彼「俺ローグワン!K2がいいんだよなぁ」

それから冬真は後ろを振り向いては私に話しかけてくれるようになった。

好きな映画や漫画が同じだったことから、よく話すようになり冬真を気になり始めた私。

授業中隣の席の友達(仮:みくる)と絵しりとりをやっていた。すると冬真が「何やってんのー?お!絵しりとりじゃん!俺も入れてー!」と言ってきた。

私は内心「うわ!男子と絵しりとりなんて初めてだよΣ(-᷅_-᷄๑)しかも気になる人から入れてくれなんて、、、緊張するぅ」と思っていた。

私はドキドキして、絵が読み取れなかったりしたが、無事に絵しりとりを終えた。絵しりとりが終わるとしりとりが成立しているか確認し合う。

友達が描いた絵を間違えて解釈してしまい、私から絵しりとりが狂い始めた。友達が「もぉーこれはイルカだってー!」と私の頭をズビシ!と軽く叩く。

すると、前に座っていた冬真が「イルカをサンマに間違えるなんてお前面白いなぁ」と笑いながら私の頭にポンと手を置いた。

冬真は思い出したかのように帰りの支度をし始めた。

男子から、しかも好きな彼から頭をポンとされるなんて、、、少女漫画の中だけだと思っていた私は、驚きと恥ずかしさでフリーズしてしまい、帰り支度などとてもじゃないけど出来なかった。








written by 夏子

エピソード投稿者

夏子

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