好きじゃないなら、そんな優しくしないでください。完

好きじゃないなら、そんな優しくしないでください。完

スポーツ大会から数日、私はＮちゃんに相談していました。
「夏休み、先輩誘っていいかな？？」
私はせっかくスポーツ大会に距離を縮めたのに、夏休み何にもなかったら離れちゃうと思ってＮちゃんに聞いてみました。
「Ｓ先輩すごい恥ずかしがりやなんだって！だから、家とかは？？」
「い、家！！？？段階早くない？？」
「ん－、それか映画とかかな。Ｓ先輩人に見られるの苦手らしいからー。」
ん？人に見られるの苦手？？？私はスポーツ大会の1日目を思い出しました。急に女の先輩から呼び出され、アポなしに先輩と写真を色んな人の前で撮った・・・。私は後悔してしまいました。
「とりあえず、彼氏に聞いてみるから！」
「ありがとう！！」
Ｎちゃんとはすっかり仲良くなり、インスタでDMする仲にもなりました。Nちゃんはいつも私にアドバイスをしてくれて、本当に優しいです。

そして、Nちゃんに、
「とりあえず、どこか遊びに行きませんか？って送ってみたら？？」
と言われ、私は覚悟を決めて送ることに。
『夏休み、どこか遊びませんか？』
なかなか返事が来なくて、私はただ返信が返ってくるのを待ちました。そして、私が送って2時間後・・・。
『ごめん！俺も好きな人いるからごめん！！』
と返信が来ていました。私は涙一つでなくて、ずっとぱちぱちと瞬きをしていました。なんで泣かないんだろう。そう思って先輩とのDMを見返していました。これって振られたことなんでしょうか？私は、
『わかりました！』
とだけ打って、先輩とのDＭを閉じました。結局、ダメだったんだ。好きな人いたんだ。そう思いながら、私はもさを。の「きらきら」を聴いていました。この曲は私が先輩に思っていること全部書かれている曲です。でも、何度聴いても涙は出てこないし、心の悲しみも消えませんでした。私は夏休み直前に好きな人に好きな人がいることが分かりました。

あれから2か月。スポーツ大会後、私は先輩と1回も会っていません。もちろん、会う気もありません。むしろ、会いたくない気持ちでいっぱいです。会ってしまうと、また先輩のことが好きになりそうで怖かったからです。インスタのメッセージを見るたび、下にスライドすると先輩との短かったけど幸せだったDMが残っています。そう、私は優しい先輩に溺れていたといってもおかしくないでしょう。



どんなに相手を思っても、漫画みたいに両想いに必ずなるとは限らない。
でも、可愛くなろうとした自分を褒めたい。

でも最後に1つ先輩に言いたいことがあります。









「好きじゃないなら、そんな優しくしないでください。」　　　　　　【終わり】

written by なすの。