年下男子に迫られて、甘々なハロウィン♡

年下男子に迫られて、甘々なハロウィン♡

今日はハロウィンだから、皆で仮装して集まろうと、カラオケに集合したんだけど……


｢ねぇ先輩！こっち」
｢えっ！？どうしたの、急にっ｣


人気のない場所に私を連れて行こうとするのは、後輩の葵(ｱｵｲ)くん。


葵くんとは、生徒会がきっかけで顔見知りになった。


色白で中性的な顔立ちの美少年な葵くんは、人懐っこい性格なこともあり、男女問わずに人気な存在で。


廊下で葵くんを見かけると、いつも色んな人に囲まれているのを知っている。


友達にも恋愛にも困ってないはずなのに、休み時間になるたび、葵くんは私の教室にやって来てはお昼に誘う。


先輩先輩って可愛く甘えてくる葵くんに、私も心をぎゅっとつかまれて、一緒にいるのが日常的なことになっていった。


今日だって、そう。


さっきまで皆とハロウィンを楽しんでいたのに、急に抜けだそうと葵くんが言い出して……。


｢……ねぇ、葵くん、本当にどうしたの？｣


様子がいつもと違うように感じる。


｢年下だからって無防備すぎです……。
僕だって男、ですよ？」


廊下の角に来た瞬間、葵くんが壁に手をついて私を閉じ込める。


真剣な顔つきで見下ろす葵くんは、いつもの可愛い葵くんじゃなくて。


年下なのに、なんだか少しドキッとしてしまった。


｢ちょっと待って……どういうこと、？｣

｢さっきだって、僕のデビルの仮装姿を見て可愛いとか先輩言うし｣


拗ねたような口ぶりで目を伏せる葵くん。


どうやら私の可愛い発言が、彼の気に障ってしまったらしい。


｢え、でも……それは！褒め言葉のつもりで｣


カッコ可愛いというか、葵くんみたいなデビルがいたら、いくらでもおかしを与えたくなっちゃうなって……。


｢好きな人に言われたら、男として見られてないんだって正直へこみます｣


でも……、本当に可愛いのだから仕方ない。
可愛い葵くんが罪なんじゃ……。


そんなことを思っていると、ふいに葵くんの指先が私の顎を救いあげた。


｢今日はハロウィンだから、先輩をください。
じゃないと悪戯しますから｣

｢えぇ！？｣


お菓子じゃなくて私！？
そんなハロウィン聞いたこともないけども……

あげる、あげない、のどっちを選択しても、危険な予感がするのは気のせいかな……？


｢じゃあ、まずは唇から｣

｢え……葵くん待っ……ん、｣


返事も待たずに、葵くんは顔を近づけるといきなり私の口を塞いでしまう。


私は目をとじるのも忘れて、数秒の間フリーズしてしまった。


唇が離されると、葵くんにこつんとおでこをくっつけられる。


｢ねぇ先輩。僕だけの彼女になって？｣


……彼女、？え、え？


さっきの好きな人って言葉は恋愛としての意味なのだと、今ごろ気づいたとたんに、顔が燃えそうなくらいかぁぁっと熱くなる。


｢……っ、いい、よ……？｣


葵くんのことは、元々好印象に思っていた。


けど、葵くんは女の子慣れしてそうな感じで。


彼女もいるって周りが噂していたから、私は友達以上恋人未満の関係でもいいかなと思っていた。


葵くんと一緒にいられれば。
どんな形でもいい。


……それなのに。


今日、葵くんに告白されて意外な一面を見たら、男の子として意識してしまった。


普通に目を合わせてことも、今じゃくすぐったく感じる。


これが、恋……。


｢ふふ。照れてる先輩も可愛すぎて、もっと好きになりそうです。キスだけじゃ足りないかも……｣



優しく目を細める葵くんに、指先で唇をなぞられたあと、もう一度唇を重ねられて目を閉じる。


｢ん……、｣


ハロウィンの今日。
年下な彼に迫られて、甘々な恋が始まっちゃいました──…♡

written by :*✿ひめりぃ✿*: