学校でのハロウィンパーティーが終わって、幼なじみの日向(ヒナタ)と家まで帰る途中のこと。
「あれ?おかしがない……!」
余ったおかしをちゃんと持ち帰ってきたはずなのに、何度探しても見当たらない。
「え?紙袋の中に入ってない?」
「うん……どうしよう……っ。おかし持って帰るって、妹に約束してたのに……」
今朝、楽しみに約束した妹の顔が浮かんできて、胸がきゅっと痛くなる。
そんな私を察した日向が、ふわりと笑った。
「大丈夫。教室に忘れてきたのかもしれないし、一緒に探そ」
「うん、ありがとう。ごめんね……
日向にまで付き合わせちゃって」
日が沈んで、今は18時。
また学校に戻って探すとなると、日向の帰りが遅くなってしまう。
「ううん、平気。それより心当たりあるとこ探そっか」
「日向優しすぎるよ……本当にありがとう」
「ふふ、そーう?当前のことしてるだけだと思うけど。女の子1人で、こんな暗いとこ歩かせられないし」
日向は、昔からそうだ。
私が困ってると、こうして必ず助けてくれる。
でも甘えてちゃダメだよね。
いつまでも日向といられるわけじゃないんだ。
「もう大丈夫だよ!
コンビニでおかし買うから……」
日向を安心させようと笑顔を作ったつもりが、
「こはちゃん、そんな顔しないで……」
無理した笑顔は、日向には通用しないみたいで。
近くのコンビニに行くのを止められる。
「そうだ、ちょっと待ってて。
ちちんぷいぷい。おかしよ、出てこい」
なにやら急に呪文を唱えはじめたかと思えば、日向の手のひらには、マジックのようにおかしが出てきた。
「えっ!?おかし!?な、何で……」
「はい。これで元気出して?
こはちゃんが笑ってくれないと僕も悲しい」
「日向……」
いつの間にそんなマジックみたいなことを……
って思ったけど、ちがう。
きっと、このおかしは日向の分だ。
優しさが胸にじんと響いて、目の奥が熱くなる。
「日向……?」
至近距離で見つめ合うと、日向に突然ぎゅーっと抱きしめられる。
日向のあたたかな体温と、ふわふわと香ってくる甘い匂いに、心臓をドキドキさせていると……
「こはちゃんが好き」
抱きしめられたまま告白されて、さっきよりももっと心臓が速く音を立てていく。
うそ……。日向が私のことを好き?
信じられない思いで日向の告白を聞いていると、まっすぐに視線が重なり合う。
「こはちゃんは?」
「……っ、私も……!日向が好きだよ!
日向と出会った日から今日までずっと……」
でも言えなかった、ずっと。
日向との距離が近すぎて。
私の言葉に日向は優しく微笑むと、頬に片手を添えて
「僕の魔法で小羽(コハネ)を幸せにしたい」
囁きながら甘くキスを重ねた──…
written by :*✿ひめりぃ✿*:
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